表彰 担い手 農業 男鹿市

安田善八さんの取組を紹介!

平成15年4月に就農した安田さんは、福岡県八女市の篤農家での研修後、パイプハウス17棟を計画的に活用し、輪ギクの大規模長期出荷体制を確立。平成27年には園芸メガ団地に参画し、更なる規模拡大に取り組んでいます。

JA花き部会長、秋田県花き生産者連絡協議会きく部会長を歴任し、現在は秋田県花き生産者連絡協議会副会長及び同協議会きく部会の顧問を務めているほか、「男鹿・潟上地区園芸メガ団地」では若手の指導に当たるなど、地域内外の生産者の手本となっています。

キク栽培における卓越した技術やセンスを持ち合わせ、若い生産者が多い男鹿・潟上地区においてモデル的な経営を実践し、地域内外の生産振興に尽力している安田さん。こうした功績が評価され、「令和元年度ふるさと秋田農林水産大賞」において、大賞及び農林水産大臣賞を受賞されています。

今回の連載では、安田さんへの取材を通して、需要が高まる8月のお盆出荷作型の栽培の流れを追いながら、輪ギク栽培の作業の様子を紹介していきます。

目次

第1回 定植作業の様子を覗いてきました

第2回 電照による開花調整や摘蕾作業の様子を覗いてきました

第3回 収穫・調製作業の様子を覗いてきました

第1回 定植作業の様子を覗いてきました

親株の管理を行っています(4月中旬)

こちらは「精の一世」の親株管理の様子です。

通常、輪ギク栽培は頂花だけを開花させるため不要なわき芽を早期に除去する摘蕾作業が必要になりますが、「精の一世」は不要なわき芽が発生しにくい、いわゆる芽なしギクであり、秋田県においても夏秋系輪ギクの主力品種です。

このハウスでは、定植する穂を用意するため、冬の間に挿し穂増殖をして、採穂用の親株を育てています。冬期間に暖房機を使用して温度管理に注意しながら育成し、充実した親株となりました。

 

定植準備が完了しました(4月上旬)

定植用ハウスでは4月上旬に施肥や畝立てを行い、支柱立てやフラワーネットを設置して定植の準備が整いました!

定植後の様子をご覧ください(4月下旬)

4月下旬には盆出荷用の輪ギクの定植を行いました。

この地区では、穂を直接ほ場に植え付ける直挿し栽培を行っています。発根にムラができないよう、温度や水分のこまめな管理が重要になるので、畝をポリエチレンで被覆して土中の水分を保ち、発根を促します。

第2回 電照による開花調整や摘蕾作業の様子を覗いてきました

定植から約1か月の様子です(5月下旬)

定植から約1か月が経った5月下旬の様子です。

定植後から順調に生育し、草丈50cmほどまで生長しました。

電照による開花調整を行っています(5月下旬)

キクは短日植物であるため、夜が一定以上長くなったことを感じとり、7月頃に開花します。

輪ギクをお盆の需要期に合わせて出荷するため、このハウスでは電照による開花調整を行っています。

短日植物の性質を利用し、写真上部の電球で夜間に電照することで、開花時期を前倒しし、切り花長の確保や出荷時期の調節を行います。

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輪ギク栽培で欠かせない摘蕾作業を行いました(7月上旬)

また、輪ギク栽培において欠かせない作業であり、最も労力がかかる作業が「摘蕾」です。

1番上にある蕾を1つだけ残して、「頂花」として栄養分を集中させるため、それ以外の芽や蕾を全て取り除きます。

全て「人の手」での作業となるため、時期が遅れてしまうと品質低下につながってしまう重要な作業となります。

安田さんは、不要なわき芽が発生しにくい品種を栽培することで、作業の効率化を図っています。

収穫までもう少し・・・(7月上旬)

7月上旬の様子です。

草丈やつぼみの位置の揃いの良さ、葉のボリューム感など、圧巻ですね。

収穫まではあと20日ほどです。

第3回 収穫・調製作業の様子を覗いてきました                      

収穫が始まりました!(7月下旬)

キクはご先祖様へのお供え花として定番の花で、お盆は一番の需要期となり、最も忙しいシーズンです。

収穫する輪ギクを選んでいる安田さん。

「開花が遅れることなく、品質も良いものができた!」とのことです。

選花作業の様子(7月下旬)

選花作業は、花ロボ(全自動菊選別ロボット結束機)を活用して行います。

花ロボは、下葉を取り、長さ・重量別に選別し、10本ごとに結束してくれる、とても優秀な機械です。

調製作業は大変な仕事ですが、花ロボを使うことで効率よく進めることができます。

花ロボの映像をご覧ください!

こちらは、過去に花ロボを取材させていただいた時の動画です。

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選花作業の様子(7月下旬)

花ロボで調製された輪ギクを、丁寧に段ボール箱に詰めて出荷します。

今年のお盆時期は、出荷規格の中でも最上位となる「秀2L」の割合が8割を超え、ピーク時には1日で約1万5000本が出荷されるなど、品質と量の両面で高い水準を達成しました。

最後に・・・

「今後もきめ細かな栽培管理と徹底した病害虫防除で、市場ニーズの高い、高品質なキクの安定生産に取り組んでいきます。」とのこと。

お盆の出荷は終わりましたが、今後は9月のお彼岸需要や12月の年末需要まで、まだまだ出荷が続きます。

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