表彰 担い手 農業 湯沢市

農事組合法人あきのみやの取組を紹介!

「農事組合法人あきのみや」は、湯沢市秋ノ宮地域にある農業法人で、地域に対して熱い思いを持った22戸の農家により、平成22年5月に設立されました。

「農業は私たちにおまかせください、大切な農地を私たちがお手伝いします」をモットーに、水稲・大豆のほか、園芸品目にも取り組んでおり、山間部の小規模な農地が多い中、適期に確実に作業を行えるよう、技術の研鑽に励み、生産性の向上に努めています。近年では、農作業全般の受託や農地の有効活用方法の提案等を行うなど、信頼される組織として農地面積を拡大しています。

また、豪雪地帯において周年農業を実現するべく、春の「秋の宮いちご」を皮切りに、夏~秋の小菊、冬のセリ等、先人が築いてきた地域特産品目の栽培に取り組んでいます。さらに、東京の老舗和菓子店との契約により、新たに白小豆の栽培にも挑戦しています。

こうした取組が評価され、「令和3年度ふるさと秋田農林水産大賞」において、大賞および農林水産大臣賞を受賞されています。

今回の連載では、小菊、水稲、大豆の取組について紹介していきます!

目次

第1回 小菊栽培の取組

第2回 水稲栽培の取組

第3回 大豆栽培の取組

第1回 小菊栽培の取組

高品質なものをお客様に!

このハウスでは、前年に伏せ込んだ親株から、定植に用いる挿し穂を収穫しています。

(農)あきのみやでは、収穫した小菊の中から、生育が良く、病気のないものを親株として選抜することで、高品質生産を行っています。

この作業場では、収穫した挿し穂を品種ごとにカップに入れています。

これにより、定植作業時の数量管理や運搬等が容易になり、ムダのない作業に繋がっています。

今年は60aに小菊を定植しました。

定植後は、収穫に向けた管理作業を日々行います。

この日は、背負い動力噴霧器を用いて、薬剤防除を行いました。

小菊の害虫は、アブラムシ、オオタバコガ、アザミウマ…と多く、高品質生産には定期的な薬剤防除は欠かせません。

お客様に綺麗な小菊を届けるため、大面積であっても、手を抜かず丁寧に防除を実施しています。

収穫は正確かつスピーディーに!

収穫を正確に行うため、事前にJAが開催する目揃会に参加し、切り前や出荷規格を確認しています。

収穫作業を温度の高い時間帯に行うと水を吸い上げにくくなり日持ちがしないため、早朝の涼しい時間帯に大人数で手早く行っています。

収穫後は、資材に包み、軽トラックに載せて、調製作業場まで運搬します。

出荷・調製作業は確実に!

調製作業は女性が主体となって行います。

曲がりの基準等を、実物を見て全員で共有してから、作業に入ります。

下葉や不要な枝を除きながら、75cm、70cm、60cmという規格ごとに、10本1束に揃えていきます。

フラワーバインダーという機械を用いて長さを揃えます。

(農)あきのみやでは、出荷規格を遵守するため、フラワーバインダーの担当者が曲がり等を改めてチェックしています。

調製作業後は、品種ごと、規格ごとに分け、水につけて日の当たらない涼しい場所で保管します。

このように、収穫を涼しい時間帯に済ませ、日中は日の当たらない場所で調製作業に注力することで、高品質な小菊の出荷を実現しています。

今回は、親株の伏せ込みから出荷・調製作業まで、高品質な小菊をお客様に届けるための努力や工夫が見られました。

第2回 水稲栽培の取組

酒造好適米の種子生産

(農)あきのみやでは、主食用の「あきたこまち」をはじめとする水稲うるち品種のほか、酒造好適米の指定採種ほにも取り組んでいます。

この日は酒造好適米「美山錦」の指定採種ほと、JAこまちが県から許諾を受けている「百田」の種子ほに伺いました。
優良種子を確実に生産するために、ほ場に変異株や雑草がないか、ほ場に入って確認します。

今年の夏は記録的な高温で、生産者も熱中症に注意しながら、ほ場管理にあたりました。

採種ほの種子は全県に供給されており、県の酒造好適米生産に貢献しています。

ライスセンターでの独自乾燥調製

平成22年の法人設立以降、積極的な事業の導入によって施設・設備を拡充しています。
水稲栽培部門では、令和3年3月に竣工したライスセンターによって、独自での乾燥調製が可能になりました。

この日は、ライスセンター内での作業の様子を取材しました。
日量最大5tの籾を処理できる汎用遠赤乾燥機を5台導入し、収穫後の籾の水分状態や栽培方法などに応じた自在管理となっています。

ライスセンターを整備したことで、米の生産から検査・出荷まで、法人で完結できるようになりました。

代表理事の栄喜さんは「これまで以上に安全・安心で高品質な米の供給に取り組みたい」と話してくれました。

今回は、酒造好適米の採種ほ管理やライスセンターの活用状況を取材しました。

第3回 大豆栽培の取組

大豆の収穫作業

水稲と大豆は、(農)あきのみやの法人経営の大部分を占めています。
法人化の前は地区外の農家が個別に栽培を請け負っていましたが、法人設立を機に、直営または受託として集約しました。

この日は大豆「リュウホウ」の収穫作業の様子を取材しました。
コンバインでの収穫後はライスセンターへ移動し、粗選別後、汎用遠赤乾燥機へ投入します。

今年は、干ばつ傾向のほ場で落葉や茎の枯れ上がりが遅くなり、収穫期の降雨も重なり、収穫作業が思うように進まない日がありました。
ほ場ごとの生育状況を確認しながら、効率化を図って、全ての大豆ほ場の収穫作業を終えました。

大型機械による乾燥・出荷調製

水稲の乾燥作業で活用した汎用遠赤乾燥機は、大豆の乾燥にも役立っています。
水稲同様、収穫した大豆子実の水分状況に応じて、乾燥の温度や時間を調節します。

乾燥調製後の大豆は、フレコンひと袋ごとに水分含有率や外観品質を確認し、記録します。

フレコンにも水分含有率の測定結果を記載し、外観品質ごとに分類して保管します。

今回は大豆の収穫作業から汎用遠赤乾燥機を活用した乾燥・調製出荷作業までを取材しました。


このように、農事組合法人あきのみやでは、法人設立からの基本理念である「地域農業を衰退させない」を実現させるため、高品質な農産物を生産し、お客様に届けるための努力が続けられていました。

お問合せ先

お問合せ先秋田県雄勝地域振興局 農林部 農業振興普及課 担い手・経営班
住所〒012-0857 秋田県湯沢市千石町二丁目1番10号
電話番号0183-73-5180
FAX番号0183-72-6897

ページトップへ戻る