表彰 担い手 農業 秋田市

ふるさと秋田農林水産大賞の受賞者の業績を紹介します。

・令和5年度ふるさと秋田農林水産大賞(担い手部門・経営体の部) 農事組合法人平沢ファーム

1 経営発展の経過

●平成21年~平成24年

 農業者の高齢化、担い手不足、小区画ほ場による非効率な生産、米価の下落等の問題が契機となり、ほ場整備事業を活用し、ほ場条件の改善と地域の農業経営の一本化を進めることとなった。

 4集落からなる「みんなのファーム」を旗印に、5年後・10年後の地域農業を見据え、地域内の82%の農地を集積した。

●平成25年

 園芸メガ団地事業を活用し、水稲と大豆だけの経営から、えだまめやねぎ、ダリアを取り入れた複合経営に方針転換した。

●平成26年~

 平成26年7月に77戸の構成員からなる「農事組合法人平沢ファーム」を設立した。

 平成28年には、地域内農地92haと地域外農地4haの合計96haまで経営規模が拡大した。

2 経営内容

(1)主要作目としての水稲・大豆

 現在の経営面積93.4haのうち、水稲が38.7ha、大豆が42.9haを占めており、水稲と大豆が法人経営の主要作目となっている。

 水稲部門では、健苗育成を重要視した高品質米生産を実践しており、ほ場や栽培状況を地図上で見える化することで、効率的な管理作業を実践している。

 大豆部門では、作業を効率化し、連作障害を避けるため3~5年程度の間隔でブロックローテーションを行い、全県平均よりも高い収量を確保している。

(2)園芸メガ団地における複合部門

 複合部門としてえだまめ、ねぎ、ダリアの生産に取り組んでおり、経営の複合化により収益確保と雇用機会の創出を図っている。

 各部門には若手の従業員を部門長として配置し、技術の蓄積・継承と効率的で生産性の高い栽培管理に努めており、特にえだまめについては、地域の模範となるような高品質生産を実現している。

各部門長を担う若手従業員

(3)多様な労働力の活用

 複合経営を実践し、地域に還元できる収益を確保することで、地域の活性化につなげている。

 特に、定年退職を迎えた人材を順次雇用し、地域での雇用機会を創出するとともに、それぞれの適性を生かすことのできる人員配置を行い、限られた労働力の有効活用を図っている。

(3)経営の現状

(5)組織の機構図

3 消費者や実需者等ニーズに対応した取組

(1)朝どり出荷

 7月から9月までJA出荷しているえだまめは、新鮮なうちに消費者に届けるため、収穫した日の午前中に出荷する「朝どりえだまめ」として販売している。

(2)自社作業場前での直売

 地域住民や地域外から訪れる消費者向けとして、自社作業場の敷地内に直売所を設置しており、えだまめ、ねぎ、ダリアの販売を行っている。

 えだまめは、品種名を明記し、JA出荷外となるB品をお手頃価格で販売している。

 ねぎについては、土ねぎの状態で販売することで、出荷調製経費を抑えた格安で販売し、いずれも秋田市内の消費者等から根強い人気がある。

作業場敷地内に設置している直売所

4 技術紹介

(1)えだまめ

 極早生作型におけるマルチ+不織布被覆技術により初期の生育量を確保し、7月下旬の早期出荷において高い収量を確保している。

 地域内の労働力を活用し、雑草対策等のほ場管理が徹底されており、JA秋田なまはげえだまめ部会の中でもお手本となる栽培管理を実践している。

えだまめの収穫作業

(2)ねぎ

 機械化一貫体系の導入により、栽培管理や収穫調製作業を効率的に実施している。

 その中でも最も労働力を必要とする出荷調製作業においては、地域内の労働力を活用しており、雇用機会の創出につなげている。

 ねぎの収穫・出荷調製作業は、従業員の冬期間の仕事として位置づけており、周年雇用には欠かせない部門となっている。

適切な管理が行われているねぎほ場

(3)ダリア

 施設及び露地栽培を行い、定植時期を変えることで6月から12月までの長期出荷を実現している。

 また、摘蕾等の管理技術も高く、球根養成ほ場を確保するなど、高品質な切り花栽培に取り組んでいる。秋田国際ダリア園が近いことから、最新の技術や情報を取り入れた栽培管理が可能となっている。

ダリア部門を担当する佐藤珠実氏

5 その他特記事項

(1)働きやすい労働環境

 毎日作業が始まる前にミーティングを行い、現在のほ場の状況や今後の作業などについて全員で情報共有することで、法人全体の意識統一が図られている。また、従業員の交流を重視し、部門間や従業員間の連携を強化している。

 令和3年度に整備した野菜出荷調製作業場に冷暖房完備の休憩室や男女別トイレを設置するなど、就業環境の改善にも取り組んでいる。

(2)将来の地域農業に向けた取組

 地域の小学校の農業体験学習や中学校の職場体験学習を積極的に受け入れているほか、地域外からの新規参入者を対象としたインターンシップの受け入れ先にも登録されており、将来の地域農業を担う後継者確保に向けた啓発活動を実践している。

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