農業 にかほ市

にかほ市の大竹集落では、昭和40年代からいちじくの生産が始まり、「北限のいちじく産地」とも言われてきました。令和2年3月30日には、「大竹いちじく」として、農林水産省が定める地理的表示制度(GI)に登録されました。

大竹集落では、主に「ホワイトゼノア」という品種が生産・出荷されています。この品種は、高い糖度と煮崩れしない適度な硬さが特徴で、この地区では保存食として甘露煮にして食べるのが一般的です。

いちじくを地元の特産品にするため、生産者や加工業者、JA、市、地域振興局が一体となって、「にかほ市いちじく振興会」が結成され、新たな加工品の開発やイベントの開催など、様々な活動を続けています。
ここでは、いちじくの栽培から収穫・加工に至るまでの過程や、いちじく振興会の活動についてご紹介します!!

第1回 いちじく振興会のみなさんと園地を見学!

広大ないちじく園地

にかほ市大竹集落には、約12haのいちじく園地があり、34名の農業者がいちじくの生産に取り組んでいます。写真の園地は、全体で4haあり、振興会の阿部会長は、このうち70aを管理しています。
広大な敷地とたくさんのいちじくの樹は、その場で見ると圧巻です!

いちじくの樹を見てみます

いちじくの樹は、樹高を低く仕立てて、日光が当たりやすい環境をつくることが重要です、と阿部会長は話します。
5月下旬に剪定を行った切り口には、乾燥防止のための保護材を塗っています。

いちじくの実がなっていました

いちじくは、秋に収穫するイメージですが、夏にも実をつけます。ただ、秋に収穫する実の方が糖度が高くなるため、この地区では基本的に秋に収穫できるように管理しており、この実は摘み取って捨ててしまいます。

もったいないですが、秋においしいいちじくを収穫するためには必要な作業です。
この日参加した振興会の皆さんは、熱心にいちじくの状態を確認しており、いちじくへの熱意が伝わってきました。

いちじく振興会のみなさん

にかほ市いちじく振興会では、生産者を対象とした技術講習会や、新商品の開発、商談会への出展による販路開拓など、75名の会員がそれぞれの強みを生かしながら、産地を盛り上げようと頑張っています!

にかほ市いちじく振興会のみなさんです

いちじくポーズで、良い笑顔!

(左から、振興会の須藤副会長さん、佐藤勘六商店の佐藤さん、にかほ市役所中嶋さん、阿部会長)

第2回 ほ場巡回で芽かき作業をチェックします!

葉が生い茂ってきました

春先と比べて、樹体が大きくなり、葉が生い茂ったいちじく園地です。

いちじくの生長を感じることができますが、より品質の高いいちじくを生産するには、今年伸びた枝を間引いて、枝の本数を減らす「芽かき作業」を行い、樹全体の光合成効率を上げることが大切です。

芽かき作業を確認しています

この日は、振興会の会長と副会長が会員のほ場を巡回し、芽かき作業が十分に行われているかチェックしています。

より良いいちじくを消費者へ届けるため、チェックする人も、受ける人も、真剣な表情です。

実がつき始めました

これまでの生育は順調で、秋に収穫するいちじくの実がつき始めています!まだとても小さいですが、これからどんどん大きくなり、9月中旬頃には収穫が始まります。

これからの生長が楽しみですね♪

雑草にも重要な役割が…

いちじくの木の根元に生えている雑草は、実は、あえて残しているのです。

いちじくは、水はけが良く、かつ水持ちも良い土を好みます。株元が雑草で覆われていることによって、土の乾燥が抑制され、いちじくにとって適度な土壌水分を保つことができます。

自然の力を生かした栽培技術です!

第3回 いよいよ収穫の時期です!

まずは生育状況をチェック!

いちじく振興会会員の佐藤さん(写真右)の園地では、JA秋田しんせいの指導員と振興局の果樹担当の普及指導員による生育状況の確認が行われています。
収穫時期などについて、熱心に話を聞いていました。

いよいよ収穫です!

丹精込めて育ててきたいちじくを収穫します。
今年は生育がやや遅く、今のところ例年に比べ小さいですが、収穫最盛期に近づくにつれて、どんどん大きくなっていきます。

収穫後のいちじくは…

収穫後のいちじくは、新鮮なうちに加工業者の「佐藤勘六商店」で甘露煮やジャムなどに加工される予定です。

秋田市にある「たけや製パン」では、佐藤勘六商店で加工されたジャムを使用したコラボ商品を開発・販売しています。

密着取材を振り返って

これまで3回にわたって「にかほ市いちじく振興会」の活動をご紹介しました。記事編集を担当させていただきました私は、いちじくに関して知識がなかったので、とても勉強になりました。また、「にかほ市いちじく振興会」で熱心に活動されている会員の皆さんの姿を見て、よりよい品質のいちじくを出荷できるよう地域全体で努力されていることが分かりました。

最後は青空に映えるいちじくの実でお別れします。ありがとうございました。

取材協力:にかほ市いちじく振興会

お問合せ

お問合せ先秋田県由利地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒015-8515 秋田県由利本荘市水林366番地
電話番号0184-22-7551
FAX番号0184-22-6974

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