林業 八峰町

県では、県民参加の森づくりを推進するため平成18年度から「みんなで創る里山保全活動事業」による多様な森づくりを展開しており、今回ご紹介する活動もその一つです。

八峰町八森字真瀬沢地区におけるボランティアによる森林保全活動は、20年度6回程度実施する予定で、その活動状況を数回にわけてお伝えします。

第1回 平成20年度のボランティア活動計画の打合せと植菌体験

本年度のボランティア活動計画の検討

ボランティアの名称は「『ハタハタの森』森林保全ボランティア」(会員数:14名)。5月26日、八峰町の「白神ふれあい館」にて本年度の活動計画に関する打合せが行われました。

活動場所の確認

活動場所は、八峰町八森字真瀬沢地区の町有林(スギ人工林、面積2.36ha、標高650m)ですが、これを環境に優しい針広混交林に誘導するのが活動の目的となっています。

当日は、激しい雷雨となりましたが、参加者全員で活動区域をまわり、今年の施業内容を確認しました。

シイタケの植菌体験(ミズナラの原木への穴あけ作業)

里山保全活動の一環として森とのふれあいを深めるため、シイタケの植菌体験を実施しました。写真はミズナラの原木50本に植菌用の穴をドリルでせん孔する作業です。

シイタケの植菌体験(種駒の打ち込み作業)

ドリルであけた穴に木づち等でシイタケの種駒を打ち込む作業の状況です。キノコの収穫は1年以上後になります。

第2回 境界の整備と有用広葉樹の選木作業

整備対象区域を明確にするため境界の草木を刈払い(6月17日撮影)

『ハタハタの森』は、八峰町とボランティアが協定を結び、お借りした町有林の一部です。このため、周囲の森林との区別を明確にする必要があるので、境界の草木を刈払う作業を行いました。

林道沿線を刈払い(6月17日撮影)

活動場所は青秋林道沿にあります。この林道は藤里町の二ツ森(標高1,086m)への登山道に繋がっており、年間4,000人もの人々が通行します。そのため、その沿線も併せて整備しました。

シイタケのホダ木を林内に運搬して伏せ込み作業を実施(7月15日撮影)

5月16日に植菌したホダ木を林内に運搬し、伏せ込み」作業を行いました。写真は、「百足伏せ」という方法で並べられたホダ木の様子で、順調にいけば、来年の秋頃には収穫が期待できます。

用語解説:伏せ込み
シイタケ菌が生育し易いようにホダ木を並べる作業

針広混交林に誘導するため将来高木になる広葉樹を選木(7月15日撮影)

スギ人工林を針広混交林に誘導するためには、まず、スギを本数で40%程度伐採するなど広葉樹が生育するための空間を設けます。 次に、伐採後侵入した広葉樹の内、将来、樹高が10~15m以上に生育できる木(高木)を選び出します。生育を促進させるため、それ以外の広葉樹を取り除くことが大切です。

写真は、将来高木になる木を選び、テープで印を付けた状況です。

第3回 不要木の除去とスギの枝打ち作業、本年度の作業を無事終了

八峰町八森字真瀬沢地区における森林保全ボランティア活動について、これまで2回にわたり実施状況をお伝えしてきましたが、今回は9月、10月の状況をお伝えします。

活動場所である町有林2.36haの内、広葉樹の選木、除伐、スギの枝打ちの作業が全て完成した区域は1ha程度です。来年度は残りの区域を整備し、スギの密度が高い区域は間伐する必要がありそうです。

作業前の打合せ(9月16日撮影)

「ハタハタの森」保全ボランティアの会員も活動を重ねる度に現場に慣れてきました。写真は作業前の打合せの様子です。作業内容の確認や使用する機材の点検の他、準備体操も行いました。

不要木の除去作業を実施(9月16日撮影)

前回の活動で将来高木になる木を選び出し、赤いテープで印を付けましたが、今回は選んだ広葉樹の生育を促進するため、その他の広葉樹等を除去する作業を行いました。

スギの枝打ち作業を実施(10月14日撮影)

広葉樹の生育をより一層促進するため、光が多くあたるように枝打ち(スギの枝を切り落とす作業)を行いました。地際から3~4mの枝を対象に作業を行った結果、林内は格段に明るくなりました。

今年の整備作業を終了(10月14日撮影)

5月から始まった今年度の整備作業も一通り終了することができました。
ボランティア会員は、整備を終えた森林のできばえに満足し、色づき始めた山を後にしました。

取材協力:「ハタハタの森」保全ボランティア さん

お問合せ先

お問合せ先秋田県山本地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒016-0815 秋田県能代市御指南町1番10号
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