農業 大仙市

モロヘイヤは、緑黄色野菜の中でも抜群の栄養価を誇り、刻んだり茹でたりするとオクラのような粘りが出ます。ごはんや素麺にのせたり、スープにしたりと、夏場のスタミナ食材として大活躍しますが、昔、アラビアの王様が病気になったとき、モロヘイヤのスープを食べて元気になったという話から「王様の野菜」とも呼ばれており、注目度が高い健康野菜です。

秋田県仙北地区では約20年前から栽培が始まりました。現在は、約70戸の農家によってハウス栽培が行われ、6月から10月までの夏場を中心に出荷しています。県認証による減農薬・減化学肥料栽培にも取り組んでおり、「おらほのイチ押しモロヘイヤ!」と言うネーミングで、安全安心なモロヘイヤを消費者へお届けしています。

第1回 モロヘイヤの播種から定植作業について

モロヘイヤのタネは小さい

モロヘイヤは少し角張っており、約1~2㎜と非常に小さいタネです。

モロヘイヤの苗づくり

播種用のトレイに1粒ずつタネを播き、約10日たちました。モロヘイヤの本葉が出ています。

本葉が2枚になったら、鉢(ポット)に植え替えます。約1ヶ月で定植できる苗になりました。低温に当たると生育が止まり、その後も茎が2枝に分かれたり、蕾がつき始めたりするので、育苗は気が抜けません。

モロヘイヤの定植しました

モロヘイヤの適温は日中30℃と、暑いのが大好きな野菜ですが、ハウス栽培で保温管理をすれば、4月末からの定植が可能です。土の温度を上げるため、マルチをした畦に植え、定植後は水をたっぷり与えます。暑くなればなるほど、生育が旺盛になってきます。

マルチとは

地温や水分の確保、雑草防止等のため、畑や植え床などをわらやビニールで覆うこと。

ベテラン農家が新規栽培者へ教えます

初めて栽培する方に、講習会を行っています。土づくり、マルチ、かん水、定植方法について、ベテラン農家からしっかり技術を教えてもらいます。

モロヘイヤの栄養価

『抜群の栄養価を誇る緑黄色野菜―それがモロヘイヤです。ハウス栽培ですので、茎まで柔らかくて、クセがなく和・洋・中、どんな調理法にもよく合いますので、おいしく食べて夏場の健康増進に一役。ぜひご賞味下さい!』
(県の認証を受けた減農薬・減化学肥料栽培による「特別栽培モロヘイヤ」のほか、柔らかい葉っぱのみを厳選パックした「葉っぱモロヘイヤ」もあります)

第2回 モロヘイヤの栽培管理・収穫・出荷品について

摘芯作業

草丈が約1mになったら、主茎の頂点を収穫を兼ねながら摘芯します。そうすると、枝の脇から分枝が次々と伸びてきます。

暑くなると益々生育が旺盛になり、ハウス栽培では人の背を越えて約2m以上まで大きくなります。

防虫対策(防虫ネット)

ハウスの中にモロヘイヤの葉を食害する虫が入って来ないように、防虫ネットを入り口と周囲に張り巡らします。防虫ネットを張ると、ハウス内は40℃以上になることもありますが、モロヘイヤは元気一杯です。

なるべく農薬を使わないよう、ハウスの中に粘着シートをぶら下げて、虫を捕殺します。

特別栽培農産物(減農薬・減化学肥料栽培)看板

消費者に安全安心なモロヘイヤを届けるため、秋田県特別栽培農産物の減農薬・減化学肥料栽培の認証を受けています。認証を受けると、ハウスの入り口に看板を立てます。

秋田県特別栽培農産物とは

通常の栽培方式に比べ、農薬や化学肥料の使用量を一定以上減らして栽培された農産物のことで、国のガイドラインに基づき制定された秋田県独自の制度です。認証を受けた農産物は、認証票を付して、出荷・販売できます。

収穫作業

夏場の収穫は、早朝5時頃から、涼しい時間に行います。伸びた茎葉を25㎝位の長さで収穫します。

調整作業

モロヘイヤは軽くて扱いやすいことから女性や高齢者が中心となって取り組まれています。収穫したモロヘイヤは、涼しい作業小屋で調整・袋詰めを行います。当産地では、下枝の小さな茎葉を整理してから、長さ24㎝に切り揃えて袋に入れます。

イチ押し!認証栽培のモロヘイヤです

「おらほのイチ押しモロヘイヤ」として、秋田、岩手、関東などに出荷しています。ハウス栽培なので茹でて刻めば、茎まで美味しくいただけます。

厳選パック!葉っぱモロヘイヤです

一部の量販店向けに「葉っぱモロヘイヤ」を出荷しています。

次回は農家が作ったモロヘイヤ料理のレシピを紹介します

第3回 栄養満点!モロヘイヤ料理を紹介

たっぷりのお湯でゆでます

お湯が沸騰したら、茎から先にゆでて、茎がしんなりしたら葉まで入れます。ゆで上がったら水に浸した後、ザルにあげて水を切ります。

細かく刻む

ゆでたモロヘイヤを、茎と葉ごと包丁で細かく刻みます。刻んだモロヘイヤは、小分けにして冷凍すると保存がききます。

モロヘイヤと豆腐のサラダ

  1. 豆腐を軽く水切りし、1㎝角に切ります。
  2. その上に、ゆでて刻んだモロヘイヤと、ミニトマトや花かつおをのせ、お好みのドレッシングで食べてください。

夏バテ知らずのスープ

  1. 鍋にみじん切りのショウガを炒めた後、挽肉を加え、ポロポロになるまで炒め、塩、コショウを少々ふります。
  2. 鍋に水1リットルと固形コンソメを1個入れて沸騰するまで火にかけます。アクを取り、豆腐を崩して入れ、茹でて刻んだモロヘイヤと、トマトを加え、さっと火を通して、塩、コショウで味を整えます。

モロヘイヤのトロトロ丼

  1. モロヘイヤはゆでて、細かく刻みます。
  2. オクラはゆでて、薄く切ります。
  3. トマトは1㎝角に切ります。
  4. 1と2に粒納豆を混ぜます。
  5. どんぶりにご飯を盛り、④をのせます。
  6. ダシ入り醤油にわさびを溶いて、⑤にかけます。

モロヘイヤのフリカケ

  1. モロヘイヤの葉だけを軽く刻み、皿の上に重ならないようにのせた後、電子レンジで葉がカラカラになるまで、温めとかき混ぜを数回繰り返します。
  2. 鮭をグリルで焼き、焼き上がったら身を細かくほぐしておきます。
  3. 鮭と、モロヘイヤ、ゴマを別々に煎ります。
  4. 3,4をそれぞれ混ぜ合わせてできあがり!

団子、春巻き、たこ焼き、卵焼きも…

クセが少ないので、いろいろな料理にアレンジできます。栄養と愛情を加えていただきましょう。

モロヘイヤ料理を作った農家の皆さん

今回、料理を作っていただいた千畑地区モロヘイヤ農家とJA担当者です。皆さんも、栄養満点のモロヘイヤを食べて、体も元気に!

取材協力:大仙市大曲地区 モロヘイヤ栽培農家

お問合せ

お問合せ先秋田県仙北地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒014-0062 秋田県大仙市上栄町13番62号
電話番号0187-63-6111
FAX番号0187-63-6104

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