農業 秋田市

ダリアの原産地は中米のメキシコやグアテマラの高冷地帯で、日本へは今から約170年前の天保12年(1841年)頃にオランダから入って来ました。花の豪華さから「天竺牡丹」と呼ばれ、明治に入って一般に栽培されるようになりました。

ダリアはキク科で、地下に根が肥大した球根(塊根)が出来る植物です。花は他のキク科の植物と同じように、小さな花が集まって一つの花を作ります。様々な花型と花色があり、現在知られている品種だけでも3万種を超えます。

JA新あきたでは、平成19年からダリアの産地化に取り組み、今年の生産者数は27戸、作付け面積約300a(現在集計中)となっています。日本を代表する育種家である鷲澤幸治氏(秋田国際ダリア園長)の協力を得ながら、育成地のメリットを生かし、生産者と関係機関が一丸となってがんばっております。

第1回 定植作業が終わり早いものは芽が出始めました!

栽培に必要な肥料や堆肥を散布し、耕起します。

耕起とは

畑の土を砕土し、柔らかく耕すこと

定植作業の様子

畝の表面をならし、球根を植える穴を5~10cmの深さで掘ります。

これが球根です。左側が芽が出てくる発芽点です。

発芽点とは

ダリアの芽が出てくる部分

植穴に発芽点を上向きにし、しっぽの方を発芽点より深めに置きます。

土をかぶせます。

ハウス定植後の様子

定植後のハウスの状態です。

芽が出てきた様子

芽が出始めました(6月23日撮影)。

出荷は8月下旬から始まります

今年はネキリムシなどの発生が多く、ちょっぴり苦労しておりますが、管理作業は順調に進んでおります。

第2回 摘心して枝を増やします!

摘心適期となりました

葉が2~3対展開し、1回目の摘心適期となりました。中心の頂芽(成長点)を摘みとる摘心作業を行います。

摘心(またはピンチ)とは

植物の多くは「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」といって、茎の先端部分ほど勢いよく伸び、頂芽があると側枝が出にくい性質をもっています。頂芽を摘みとることで側枝を伸ばし、採花本数を増やすために行う作業が摘心です。

摘心作業の様子

それぞれの株の生育状態を見ながら摘心していきます。

摘心後の株の様子

 摘心するとこうなります。

摘心作業から10日程度で側枝が伸びてきます。

ネキリムシの食害が…

せっかく成長した株がネキリムシに食べられてしまいました。今年はネキリムシ被害が多く、防除に苦慮しております。

出荷は8月下旬~始まります

ダリアは暑さに弱く、葉焼けなども発生し、ちょっぴり苦労しておりますが、8月に切り花日持ち試験を行い、これまでよりも長く花を楽しんでもらえるように取り組みを強化します。

第3回 芽かき作業、そして遂に…出荷

涼しくなったら急に大きくなりました

連日の暑さが一段落し、夜温が低下してきたため、急に生育が旺盛になりました。ダリアには、真夏は暑すぎるため生育が停滞してしまうのです。

芽かき作業の様子

 芽かきをする前の蕾の状態です。

「芽かき」とは

ダリアの蕾は頂点に1つだけ出るわけではなく、中心の蕾の周りに2つほど蕾が出て、葉が出ているところには必ずわき芽が発生します。芽かき作業とは、中心の大きい蕾一つだけを残して、不要な蕾と芽をかき取る作業です。

芽かきするとこうなります。この作業が遅れると切り花品質が低下し、出荷不能となります。また、2番花にも影響が出るため、時期を逃さず適期作業を行います。

芽かき後の蕾の様子

蕾が徐々に大きくなってきました。この頃には花にアザミウマ類の被害が出ないように防除を行います。

花びらが開いてきました。(品種:かまくら)

開花始めの様子

いよいよ出荷が始まります。(写真:秋日和)

写真:ポートライトペアビューティー

写真:紅映

電照準備完了

8月末~9月始めを目処に電照(長日処理-夕方もしくは朝、夕に電気を付けます)を開始します。

電照(長日処理)とは

照明によって光を受けている時間(昼の時間)を長くする処理です。ダリアは適正日長が13~14時間の量的短日植物です。このため、日長が13時間より短くなると花芽分化はするものの、発達が途中で止まる露芯花が発生します。この露芯花を減少させ、品質向上を図るため長日処理を行います。

本格的な出荷は9~10月ですが、年内いっぱいは出荷が続きます。

まだまだ暑いため本来の花色ではありませんが、これからどんどんきれいになっていきます。生産者がかわいがって育て、出荷に際しては悪いものは出さないという心構えでがんばっております。今年は全県的にも生産が拡大しておりますので、秋田のダリアをどうかよろしくお願いします!

ダリアは暑いときは特に日持ちしない花ですが、お家で飾る場合は、活け水を少なめにし、こまめに水を変えてあげてください。涼しくなってきますと鑑賞できる期間も長くなります。また、切花日持ち試験も行い、これまでよりも長く花を楽しんでもらえるように取り組みを強化します

取材協力:JA新あきた、秋田市雄和地区

お問合せ

お問合せ先秋田県秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒010-0951 秋田県秋田市山王四丁目1番2号
電話番号018-860-3371
FAX番号018-860-3363

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