農業 大仙市 仙北市 美郷町

JA秋田おばこ管内の花き生産の主軸は、リンドウ・ダリア・キク類・トルコギキョウ・ケイトウの5品目ですが、いずれも夏から秋の生産となるため、冬期に生産する品目を模索してきました。
こうした中で注目したのが「葉牡丹」。
正月の飾り花として安定的な需要があり、低コスト生産が可能な切り花として、昨年度から本格的な生産に取り組んでいます。

JAでは、葉牡丹の生産を強化するため、JA広報などを通じて栽培者を募っており、今年度は3法人・5個人により生産がスタートしました。
将来的には20万本の出荷を目指して、規模拡大を進めています。
稼げる農業の実現に向けた、冬期振興品目への挑戦の様子を取材してきました!

葉牡丹とは?

アブラナ科の植物だが、花姿が「牡丹」に似ていることから名付けられた。

1990年頃から切り花用として品種改良が進み、最近はサイズや色も様々な品種が出回っている。

花言葉は「祝福」「慈愛」「利益」「愛を包む」など。

鮮やかさと縁起の良さから、正月用の飾り花として安定した人気を誇る。

播種・定植作業の様子を紹介します!

播種作業の様子です。

128穴の育苗トレーを使って、1穴に1粒ずつ、丁寧に種を播いていきます。

播種後はかん水作業!

播種後は、乾燥を防止するために新聞紙を被せ、その上からたっぷりかん水します。

発芽を確認した後、新聞紙は除去していきます。

発芽しました!

葉牡丹の発芽はとても早く、播種から2~3日後には発芽します。

写真は播種から4日後、無事に芽吹いて一安心です。

協力して定植を行います!

本葉3枚が展開した頃、ほ場への定植作業を始めます。

1本ずつ丁寧にトレーから抜き取り、植えていきます。

今後は、生育のポイントとなる時期に栽培講習会や全戸巡回等を通じて、栽培技術の高度化・平準化を図っていきます。

生育は順調!今回は葉掻き作業をご紹介!

定植から14日後。

葉牡丹の生育は早く、定植後はどんどん生長していきます。

定植から14日後、草丈がだいぶ伸びてきました^^

定植から1ヶ月後。

定植から1ヶ月ほど経った状態です。

茎が太くなり、葉の枚数も増えてきました!

葉掻き作業を行います!

葉牡丹の草丈が30㎝前後になった頃、「葉掻き」作業が始まります。

葉掻き「前」…

葉掻きする前は、葉がぎっしり生えた状態でしたが…。

葉掻き「後」!

葉掻き後は、株元がすっきりと!^^

葉掻きにより株元の風通しが良くなると、茎の伸長と太さが整い、残った葉の巻きが良くなって、品質向上に繋がります。

草丈の伸長に合わせて、3回~4回程度「葉掻き」を行っていきます。

色付いた葉牡丹を品種別にご紹介します!

定植から90日後

定植から90日経過した状態です。
草丈は90㎝ほどまで伸びてきました。

着色スタート

定植してから緑色の葉だけでしたが、10月中旬以降に気温が低くなったことで、上部の葉の着色が始まりました。

綺麗に着色するには?

葉牡丹の着色には低温が必要です。この時期に肥料が効きすぎると綺麗に色づかないため、肥料コントロールが鍵になります。

「恋姿」着色初期

色の付き方は品種により異なります。

一般的に赤系色の品種が早く色付きます。
写真は赤色の定番品種「恋姿」。

良いネーミングですよね!

「恋姿」着色後半

着色初期は薄かった紅色が、時間をかけて濃紅色に変化していきます。

白色の定番品種「晴姿」

着色部分が白色で、中心が少し桃色を帯びる白色の定番品種「晴姿」です。
管内で最も生産が多い品種です。

フリンジタイプの葉牡丹

葉にフリンジが入る存在感抜群の品種もあります。
品種名は「ラッフルローズ」です。

フリンジとは??

花弁の縁に細かい切れ込みが入った花の形のこと。

あとは収穫を待つのみ!

着色が完了すれば収穫できますが、葉牡丹は正月の飾り花としての需要があるので、収穫は年末までお預けです。
次回、最終回の記事で収穫の様子をお届けします。

さあ、収穫本番です!

出荷目揃会

年末需要にしっかりと対応するため、「出荷目揃会」を開催しました。
出荷規格や箱詰めの方法等を確認し、出荷開始に向けて準備万端です。

収穫直前の葉牡丹の状況

今年は気温が高めで推移し、着色不良が心配されましたが、生産者のきめ細かな管理により、彩り鮮やかで綺麗な葉牡丹に仕上がりました。
写真は白系の主力品種「晴姿」です。

こちらは、濃い紅色が特徴の赤系の主力品種「恋姿」です。

収穫作業

収穫は1本ずつ手で引き抜き、根元をハサミでカットしながら行います。

選別・調整作業

収穫した葉牡丹は、すぐに作業場に運び、長さや花の大きさ等を見極めて、規格別に分けていきます。

需要期が限られているため、効率の良い作業が不可欠です。
作業台やバケツ等の配置も「動線」を意識して、無駄がないよう工夫します。

最後に荷姿をチェック!

規格毎に選別した葉牡丹を、50~60本ずつ丁寧に箱に入れて出荷します。

葉牡丹の収穫は播種日から数えて約5ヶ月!長い期間丹精込めて育てられた葉牡丹は今年も彩り鮮やかで綺麗に仕上がりました!

取材協力:JA秋田おばこ花き部会
ご協力ありがとうございました

お問合せ先

お問合せ先秋田県仙北地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム
住所〒014-0062 秋田県大仙市上栄町13番62号
電話番号0187-63-6111
FAX番号0187-63-6104

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