
「かづの北限の桃」特集(鹿角地域)
目次
(1)「かづの北限の桃」とは

「かづの北限の桃」は鹿角地域で栽培された桃のうち、光センサー選果により糖度が10.5度以上でかつ色、大きさの基準を満たした桃のことをいいます。
一般的に「北限」というと「栽培における北方の限界」を思い浮かべるかもしれませんが、「かづの北限の桃」は、桃栽培に取り組まれている農家が想いを込め、市場出荷する時期が全国で最も遅い産地という意味で名づけられました。
(2)産地の概要
鹿角地域は明治時代から続くりんごの産地でしたが、平成以降りんごの価格が低迷したこと等により、平成13年頃から桃の産地化が進められました。
平成24年には販売額1億円を達成し、同年6月には全国モモ研究大会が開催されるなど、県内最大の桃の産地として発展しています。
産地 | JAかづの(鹿角市) |
主な品種・収穫時期 | あかつき:8月中旬~8月下旬 まどか:8月下旬~9月初旬 川中島白桃:9月上旬~9月中旬 さくら:9月中旬~9月下旬 |
品種の特徴
あかつき
「白凰」と「白桃」を交配して生まれた品種です。果肉は緻密で、果汁が多く、甘味が強いです。
まどか
「あかつき」の種子から生育させた桃の中から選抜された品種です。果肉は「あかつき」に似て緻密で、果汁が多く、甘味が強く食味は極めて良好です。また、日持ち性も良いです。
川中島白桃
大玉で果肉が緻密、日持ち性が良い。甘味と酸味のバランスに優れ、食味が良好です。
さくら
鹿角地域で最も遅く収穫を迎える品種の1つです。大玉で、果肉は緻密、糖度が高く酸味をほとんど感じません。
この記事では、「かづの北限の桃」のメイン品種『川中島白桃』の生産現場の様子について、ご紹介します!
(3)栽培の様子
川中島白桃の栽培スケジュール
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令和6年は暖冬で4、5月の気温も高かったことから、開花は平年より10日ほど早まりました。今後の気温も高い予報となっており、収穫時期も平年より早まる見込みです。
摘蕾・摘花


4月中旬~下旬頃に摘蕾・摘花を行います。
この作業により、残された蕾や花に栄養が集中し、糖度の高い美味しい果実ができます。
摘蕾とは
花が咲く前の蕾を落とす作業で、花芽が少し膨らんだ時期から開花5日前頃に行います。
摘花とは
花を落とす作業で、摘蕾ができなかったときに補助手段として行います。
人工授粉

4月下旬~5月上旬に人工授粉を行います。
「川中島白桃」等の、花粉がない若しくは少ない品種では、果実を実らせるために五分咲きと満開期の2回、人工受粉を行います。
写真のように、ぼんてんや毛ばたき、専用の機械などを使い、めしべに花粉をつけます。
摘果


5月下旬~7月中旬に摘果を行います。
摘果は、摘蕾や摘花と同じように糖度の高く、大きい果実を収穫するために数を段階的に減らす作業で、粗摘果、仕上げ摘果、修正摘果の順に行います。
粗摘果(予備摘果)
満開後20~30日頃(5月下旬~6月上旬)から行い、枝の先端や傷がつきやすい枝の分岐部を中心に摘果します。
仕上げ摘果(本摘果)
満開後30~50日(6月上旬~6月下旬)に行います。この頃になると果実の大きさに差が出るため、大きいものや形の綺麗なものを残します。
修正摘果
およそ満開後70日頃(7月中旬)から行います。適正な着果量になるように調節するとともに、形の悪い果実や病害虫被害のあるものを摘果します。
(4)収穫・出荷の様子
収穫

ももは1本の木の中でも果実の成熟が違うため、果実の硬さや果実表面の色等で成熟具合を判断しながら収穫します。
果実はとても傷つきやすいため、手の押し痕やぶつけた傷ができないよう、丁寧に作業を行います。
もも収穫祈願祭

「かづの北限の桃」の収穫が本格的に始まるのを前に、生産者や関係機関が集まって作業の安全などを祈願し、頑張ろう三唱を行いました。
「かづの北限の桃」佐竹知事への収穫報告

販売の盛期を迎えている9月4日に、JAかづの北限の桃生産部会が佐竹知事へ収穫状況や本年度の出来映え報告しました。
主力品種である「川中島白桃」は、大玉で甘い果実ができ、病気も少なかったことから高品質な果実が収穫できたとのことです。
JAかづの北限の桃部会 中村喜作会長より

「本年の『かづの北限の桃』は大玉で糖度も高く、美味しいです。是非いっぱい食べてください!」
秋田県の鹿角地域が誇る「かづの北限の桃」を是非ご賞味ください!
お問合せ先
お問合せ先 | 秋田県鹿角地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒018-5201 秋田県鹿角市花輪字六月田1番地 |
電話番号 | 0186-23-2123 |
FAX番号 | 0186-23-7069 |