さくらんぼ「佐藤錦」特集(湯沢市三関地区)
目次
(1)佐藤錦とは
赤い宝石とも呼ばれる果物「さくらんぼ」は、山形が主要産地として知られていますが、秋田県でも盛んに栽培されています。
特に「佐藤錦」は人気の品種で、日持ちの良い「ナポレオン」と食味に優れた「黄玉」を交配して山形県で誕生しました。
強い甘みとほどよい酸味を兼ね備えた濃厚な食味が特徴で、砂糖のように甘い味と品種改良を行った佐藤 栄介氏の名前から佐藤錦と命名されました。
この記事では、さくらんぼ「佐藤錦」の産地の一つである、湯沢市三関地区の生産現場の様子について、ご紹介します!
(2)産地の概要
湯沢市の中部に位置する三関地区は、出羽山地と奥羽山脈に囲まれた横手盆地の南端に位置しており、豊富な湧き水と寒暖差が大きく気候を生かした品質の良い作物の生産が盛んです。
三関地区では、水はけの良い土地を利用して果樹栽培が盛んに行われており、特に「佐藤錦」の生産に力を入れて取り組んでいます。
湯沢市三関地区における佐藤錦の出荷時期 | 6月中旬~7月中旬 |
(3)栽培の様子
授粉(4月)
開花前の花芽の様子
4月頃、昨年伸びた枝に複数の花芽がつきます。
開花のためのエネルギーを蓄えて膨らんだ花芽を見ると春の訪れを感じます。
巣箱の中には・・・
開花直前の園地には、写真のような箱やドラム缶が設置されていました。
これは「マメコバチ」と呼ばれる蜂の巣箱で、箱の中にはヨシと呼ばれる植物が束になって置かれています。このヨシの中にマメコバチの成虫が入っています。
さくらんぼの樹は自分の花粉で授粉することができないため、マメコバチ等の蜂が花粉をつけた状態で飛び回り、他の樹の花粉が付着することで受粉が行われます。
マメコバチ増殖の様子
4月に行われたマメコバチの増殖の様子です。
鳥の侵入を防ぐネットの中でマメコバチが巣を作っています。
マメコバチは繭の状態であれば冷蔵保存ができるため、今年増やしたマメコバチを翌年の受粉に用いることができます。
開花が始まりました!
4月下旬、ついに開花が始まりました!
秋田県では桜が開花してから1週間~10日遅れで開花します。
桜の花言葉は「優美な美人」ですが、さくらんぼは「幼い恋人」という意味を持っています。
ハウス設営・摘果(5月)
ハウス設営
5月中旬頃、ハウスのビニール設営が行われます。
ビニールを張ることで、果実に雨に当たることで発生する実割れや果実腐敗を防ぐことができます。
摘果
良質な果実を生産するために摘果を行います。余分な果実を取り除くことにより、残った果実に養分が集中するため、肥大と着色が良くなります。
高所作業車の活用
さくらんぼ栽培では、摘果など高所で作業行う必要があります。
脚立による作業が困難な場合は、高所作業車を活用します。
高所作業車は、さくらんぼだけでなく、りんごや桃など様々な果樹の栽培で活躍しています。
(4)収穫・出荷の様子
収穫スタート!(6月中旬)
6月中旬、赤々と色づいた「佐藤錦」が園地いっぱいに広がっていました!
収穫の際は、果梗(枝に近い緑色の部分)を持って上側に引っ張ると枝を傷つけずきれいに収穫することができます。
選果
さくらんぼの選果は、機械と人の手で行います。
まずは、果実の重量によってを自動で選別を行う「選果機」で大きさを揃えます。その後、サイズ基準プレートを用いて人の手でサイズを確認し、箱やパックに詰めます。
いよいよ出荷です!
出荷前の佐藤錦です!
佐藤錦は、「化粧詰」と呼ばれる特殊な方法で箱詰されています。化粧詰は、透明なフィルムを底に敷いた箱に、ツルを上にして一つずつ果実を詰めていき、最後にひっくり返すことで、宝石を敷き詰めたような美しい状態に仕上がります。
また、傷や痛みを防止するため、細かな位置の修正は『箸』で行います。さくらんぼが職人技で詰められ、赤く輝いていく様子は、ルビーを彷彿させます。
湯沢市三関地区のさくらんぼ「佐藤錦」をご賞味ください!
湯沢市三関地区では、農家の方々が様々な工夫を凝らし、品質の良いおうとうを一粒でも多く消費者に届けるために、日々の管理作業に取り組んでいます!
農家の方々の工夫と努力が積み重なって作られる初夏の味覚、湯沢市三関地区のさくらんぼ「佐藤錦」を是非ご賞味ください!!
お問合せ
お問合せ先 | 秋田県雄勝地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒012-0857 秋田県湯沢市千石町二丁目1番10号 |
電話番号 | 0183-73-5180 |
FAX番号 | 0183-72-6897 |