表彰 農山漁村 藤里町

ふるさと秋田農林水産大賞の受賞者の業績を紹介します。

令和5年度ふるさと秋田農林水産大賞(農山漁村活性化部門)特定非営利活動法人ふじさと元気塾

※農林水産大臣賞も同時受賞!

1 経営発展の経過

●平成22年

 世界自然遺産「白神山地」の麓、自然の恵みに溢れるふる里で、荒廃が進む貴重な棚田や失われつつあるホタル生息地等の環境保全活動に取り組む中、地域から元気が失われていることに危機感を感じ、同じ思いを持っている仲間と「特定非営利活動法人ふじさと元気塾」を設立した。

●平成24年

 現理事長が前職である教員時代に神奈川県藤沢市で暮らしていた縁で、藤沢市との交流事業を民間企業の助成を活用して実施した。

●平成29年

 農林水産省の農泊推進事業を活用し、藤里町粕毛地域の6軒の農家と農家民宿を立ち上げ。農泊と併せて、四季折々の藤里町の自然を堪能できるようなサイクリング等の農村体験メニューの提供を始めた。

 サクラマスの養殖を受託し、そのノウハウを活用して白神山地の湧水で育てたイワナの養殖も開始した。

●令和2年

 県の補助事業を活用し、地域の小学生を対象として農家民宿1泊2日の農村体験学習を実施した。

●令和3年

 県や町、民間企業の支援を受け、粕毛地域にある空き家を活用した一棟貸し「貸し田舎 南白神ベース」をオープンした。

2 活動内容

(1)地域における組織の役割

 平成22年10月1日にNPO法人を立ち上げ、地域の活性化を図るための活動を開始。

 関係自治会や地域の環境保全組織等で構成する「ふじさと粕毛地域活性化協議会」、「ふじさと粕毛まちづくり協議会」の事務局を担うほか、農村RMOの形成にも主体的に参画するなど、地域全体で行っている活動の中心的な役割を担っている。

(2)活動の概要

 国や地方自治体、民間企業の補助金等を活用し、都市農村交流や高齢化集落支援のほか、農泊事業や移住定住事業など交流人口の増加を目指す取組に加え、イワナ等の養殖管理や木材加工等の地域資源の活用に向けた事業を行っている。

 特に、農泊事業については、集落の農家が経営する農家民宿の事務局として、国内外から宿泊者を受け入れ、地域ならではの地元産食材を生かした食育や農村生活体験、南白神の自然を体験するグリーンツーリズム活動も積極的に行っている。

(4)組織体系図

3 地域の特産を生かした取組

(1)農泊事業「粕毛はなの民泊通り」

 平成29年に、粕毛地域の農家6軒と協力し、農家民宿を開始(現在は4軒)。

 これらが立ち並ぶ通りを「粕毛はなの民泊通り」と名付け、ふじさと元気塾が施設の予約や宿泊調整を行っている。

「粕毛はなの民泊通り」マップ

 令和3年に、空き家をリノベーションした「貸し田舎 南白神ベース」をオープン。

 長期滞在も可能な施設で、特に県外からの利用者が多くなっている。

一棟貸し「南白神ベース」

 令和元年からは、海外からの宿泊客も受け入れており、途中、新型コロナの影響はあったものの、令和5年度は、南アフリカからの4名をはじめ、海外から25名が来訪した。

 今後のインバウンド需要の拡大により、交流人口の増加も期待できる。

海外からの宿泊客の受け入れ

(2)農村体験活動

 訪問客には、農泊とともに白神山地の自然を十分に堪能できるサイクリングや登山等の農村体験メニューを提供しているほか、地元小学生の授業の一環として、農泊や農村体験学習を受け入れている。

 県内外の学生のほかJALや東北電力等の民間企業と連携を図り、地域活性化について幅広く意見交換を行い、世代や地域を越えた交流を深めている。

農家民宿で大学生と地元小学生との夕食づくり

(3)サクラマスの養殖、イワナのブランド化

 白神山地の湧き水を活用して、サクラマスやイワナの養殖を行っている。

 サクラマスは、米代水系サクラマス協議会から委託を受け、放流するための稚魚養殖を行っている。

 イワナは、ふじさと元気塾が養殖し、町内の宿泊施設や農家民宿、農村体験に提供しており、将来は「白神イワナ」としてのブランド化も目指している。

「白神イワナ」の炭火焼き

4 地域農業、地域社会に及ぼした影響

(1)粕毛地域の活性化

 地元にとっては当たり前となっている農村の暮らしや食事が、都会に住む人々にとっては魅力にあふれたものであるという気付きの下、農泊事業に協力する「お母さん方」にあまり負担とならないようにしながら、農家民宿を訪れる訪問客に地域全体が一体となって、ありのままの「日常」を提供している。

 農村体験での指導等を通じて、地域住民の生きがいや元気が生まれている。このため、集落の話し合いの場へも多くの住民が積極的に参加し、より良い活動にしようと活発な意見交換が行われている。

5 その他特記事項

(1)農村RMOの取組

 関係自治会や地域の環境保全組織、福祉協議会、地域おこし協力隊等で構成する「ふじさと粕毛地域活性化協議会」が、令和5年度に採択された農林水産省の「農村型地域運営組織(農村RMO)形成推進事業」を活用し、農用地保全や地域資源活用、生活支援の計画策定と実証を行うモデル事業を実施している。

 ふじさと元気塾は、協議会事務局として、これまで培ってきた地域活性化のノウハウを生かしながら、農村RMOの中心的な役割を担っており、地域の元気を盛り上げていくこととしている。

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