農業 由利本荘市

加工・業務用のたまねぎは、実需者から取引要望の多い品目の1つで、北海道や九州、淡路島等が主要産地として知られています。

しかし、近年は豪雨災害や台風による被害の影響から、リスク分散のために、これまで取組の少なかった東北地方においても生産が求められており、産地化の動きが出てきています。
今回は、由利管内でたまねぎの産地化に向けて奮闘している、有限会社折林ファームの取組を紹介していきます。

折林ファームは、基盤整備事業の開始に伴い経営規模を拡大し、水稲中心に経営しながら、学校給食向け野菜の栽培にも取り組むなど、地域を代表する担い手として、日々躍進を続けています。
たまねぎも、元々は学校給食用として栽培していましたが、大手実需者から「新しい産地を探している」と相談されたのをきっかけに、他地域の農業法人にも働きかけながら、年々作付規模を拡大しているようですよ。
現地で取材した折林ファームの取組を、本特集でお伝えします!

春植えたまねぎの定植作業をご紹介!

定植作業がスタート!

たまねぎの定植作業は、4月上旬に行います。

専用の定植機に育苗箱をセットし、たまねぎの苗を植えていきます。

社長自らが定植機を運転!

たまねぎの定植作業は、4月上旬に行います。

専用の定植機に育苗箱をセットし、たまねぎの苗を植えていきます。

定植後のほ場の様子です!

1畝に4条、株間15cmで定植を進め、無事に作業が完了しました!

由利管内では、この松ヶ崎地域を含め、250aの面積で、約39万株のたまねぎを栽培しています。

現地講習会を開催しました!

現地講習会の様子

6月18日、(有)折林ファームが由利地域の春植えたまねぎ生産者のほ場を巡回し、講習会を行いました。

各生産者の栽培・防除等の状況を把握し、今後の栽培管理について活発な意見交換を行いました!

(有)折林ファームの従業員が全自動移植機について説明しています。

生産者や関係者からの質問に丁寧に回答し、機械の仕組みや定植作業に要する時間等を説明していました。

生育の様子を御覧ください!

6月に入るとたまねぎの肥大が始まりました。

6月18日時点で、玉の直径は5cm程まで大きくなりました。

薬剤散布は機械で効率化!

(有)折林ファームでは、ブームスプレヤを使って薬剤散布を行います。

写真は軟腐病の予防作業です。

ブームスプレヤとは??

病害虫の防除作業・除草剤散布に利用する機械。
ブームと呼ばれるノズル部分が伸長することで広いほ場でも均一に効率よく薬剤を散布できる。

軟腐病とは??

傷口・虫の食害痕から病原菌が侵入し、たまねぎが腐敗する病気。
5月頃から発生し始め、収穫期に雨天に遭うと軟腐病の発生が増える。

収穫から調製までの作業を紹介します!

たまねぎを掘り起こします

収穫期が近くなると、たまねぎの球が十分に肥大し、葉身の中が空洞化して弱くなり、自然に倒れます。

収穫適期を迎えると、デガーという機械でたまねぎの根を切りながら掘り起こします。

天日干しして乾燥させます

たまねぎを掘り起こした後、ほ場で天日干しして、外側の皮が茶色くなるまで1週間程度乾燥させます。

たまねぎは水分量が多いと腐りやすいので、貯蔵性を高めるために球の水分量を低下させます。

また、土や汚れが付着していると腐敗や品質低下に繋がるので、乾燥させて球や根に付着する土や汚れを取り除きやすくします。

天日干し中に雨に当たると腐敗しやすくなるため、好天が続く時期を狙って乾燥の日取りを決め、計画的に掘り起こしていきます。

機械で拾い上げて回収します

十分に乾燥させた後、ピッカーという機械でたまねぎを拾い上げ、鉄コンテナに回収していきます。

室内で更に乾燥させます

温風乾燥機と強制排気口を利用し、温度・湿度を管理しながら空気を循環させ、たまねぎを乾燥させます。

乾燥作業は、30~40℃で3日、常温で3日の計6日間行いました。

機械で調製作業を進めます

今年度は試験的に、ばれいしょの選果機を使って、たまねぎの調製作業を行いました。

投入口にたまねぎを入れると、ローラーの上をゴロゴロと転がり、付着している土や汚れ、余分な皮や根が落ちていきます。

その後、手作業で腐敗している球や傷が付いた球を取り除き、調整作業は完了です。

最後に選別作業です

調整後は1球毎に重さを自動測定し、S・M・L・2Lの4段階に選別します。

ばれいしょ選果機を使ったため、たまねぎが機械に引っかるなど作業が滞ることがありましたが、2名の人員が機械の選別を補助して、スムーズに進めることができました。

サイズ毎に選別したたまねぎを鉄コンテナへ約500kgずつ入れた後、フォークリフトで保管庫まで運搬しました。

最後に折林ファームのPR!

令和3年度、折林ファームでは業務用たまねぎを約1ha作付しました。

折林ファームが由利地域のたまねぎ産地を牽引し、他地域のたまねぎ産地と連携を図ることで、安定的な出荷が可能となってきました。

今後、さらに作付面積を拡大予定で、由利地域の担い手として、より一層飛躍し続けることでしょう!

取材協力:(有)折林ファーム
御協力ありがとうございました!

お問合せ

お問合せ先秋田県由利地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒015-8515 秋田県由利本荘市水林366番地
電話番号0184-22-7551
FAX番号0184-22-6974

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