農業 美郷町

仙北地域における種なし大粒ぶどうの取組は、平成27年から始まりました。栽培面積は7.3ha、生産者数は47名で、小規模な産地ですが、面積、生産者とも年々増加しています。平成30年には「仙北地域種なし大粒ぶどう部会」が設立されるなど、今後大きな伸びが期待される産地です。

品種は、種がなく皮ごと食べられる、今人気の「シャインマスカット」を始め、「ピオーネ」や「クイーンニーナ」、「藤稔」など、多様なものが作付けされています。平成30年からは出荷が始まり、仙北管内の直売所に地場産のぶどうが並ぶようになりました。

生産者は、新しいことにチャレンジする意欲の高い方々ばかりで、高品質なぶどうの生産を目指し、毎月開催される講習会等への参加など、日々研鑽を重ねているほか、新たな技術の導入にも積極的に取り組んでいます。

第1回 新たなぶどうの産地として挑戦中!

上空から見たぶどう園地

ぶどうの園地の全景です。仙北地域では、ほぼ全ての樹に雨除けハウスを設置して、高品質なぶどうの生産を目指しています。

新しい仕立て方で産地拡大へ!

ハウスの下には、枝が重ならないよう丁寧に誘引された樹が整然と並んでいます。仙北地域では、より管理がしやすい「一文字仕立て栽培」を導入し、高品質なぶどうの生産に取り組んでいます。

一文字仕立て栽培とは

主枝2本を、上から見たときに一文字となるように誘因する仕立て方法のことを言います。剪定が比較的簡単であり、一直線に果実が成るため作業性が良いほか、雪が積もりにくいため、雪害対策としても有効な技術です。

省力化に向けた試験を実施中

ぶどうでは、房の形を整え粒の肥大を促すため、粒を間引く「摘粒作業」を行います。品質の良いぶどうの生産には欠かせない作業ですが、労力を必要とします。

そこで、花が咲く前に蕾を落とし、摘粒作業の省力化を図る試験を実施しています。試験の結果が出るのは7月中旬頃で、成果次第では生産者の面積拡大に向けた意欲が高まることが期待できます。

ぶどうの花

ぶどうの開花が始まりました。ぶどうの花には花弁がなく、雄しべとめしべだけの地味な花ですが、とても良い香りがします。開花が始まると園地全体にぶどうの花の甘い香りが漂い、作業も気持ち良く進みます。

第2回 ぶどうの収穫が始まっています

収穫を待つシャインマスカット

種なしの人気品種「シャインマスカット」が収穫期を迎えました。

収穫作業は、房の色や形を一つ一つ丁寧にチェックしながら、手作業で行われます。

出荷に向けた調製作業

収穫した後は、出荷に向けた調製作業を行います。粒が取れたり、ブルームが落ちないように、緊張しながら丁寧に作業していきます。

ブルームとは

ぶどう表面の白い粉のこと。ぶどうが自ら分泌するもので、水分の蒸散を防ぎ、鮮度を保つ働きがあります。新鮮なぶどうには、このブルームがたくさん付いています。

出荷準備が整いました!

化粧箱にきれいに詰められたぶどうです。左から、ピオーネ、シャインマスカット、シナノスマイルと、3色セットで販売されます。

この贈り物をもらった人が笑顔になることは、間違いないでしょう♪

来年度に向けて勉強中

「仙北地域種なし大粒ぶどう部会」では、会員がそれぞれのぶどうを持ち寄り、品質検討会を開催しています。

果樹試験場の研究員や振興局の普及指導員が果実の出来を評価し、その結果を栽培技術の向上につなげていきます。

ぶどうを真剣に見つめるまなざしから、ぶどう作りに対する熱意が伝わってきます。

第3回 ぶどうのせん定講習会が開催されました ~電動はさみで省力化!~

せん定講習会を開催しました

「仙北地域種なし大粒ぶどう部会」において、せん定講習会が開催されました。最初に、講師の普及指導員がせん定方法を実演し、その後に全員で作業を行いました。

いざ自分ではさみを入れようとすると、悩んでしまうものです。参加者は、疑問点をその場で講師に確認しながら、せん定方法を学びました。

これから、越冬に向けて、それぞれの園地でせん定作業に臨みます。

電動はさみを試しました

今回の講習会において、電動のせん定はさみを試用し、作業がどれくらい楽になるかを検証しました。

この電動はさみは、バッテリーを背負いながら、通常のせん定はさみと同じように作業します。

重さは全体で3kg、はさみ部分は約800gです。一般的なせん定はさみは200g前後なので、比較すると重く感じます。

電動はさみで作業してみました

実際に生産者の方に試してもらったところ、普段はノコギリで切るような太い枝でも、ほとんど力を入れずに簡単に切ることができました。手への負担もかなり少なく、はさみよりも楽に作業できたとのことでした。

ただ、長時間使用すると、背負っているバッテリーや、はさみの重さが気になるようでした。

せん定作業が終了しました

伸びていた枝は短くカットされ、越冬の準備が整いました。来春には枝から再び芽吹いて、美味しいぶどうがたくさん実ることと思います。

取材協力:仙北地域種なし大粒ぶどう部会員

お問合せ

お問合せ先秋田県仙北地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒014-0062 秋田県大仙市上栄町13番62号
電話番号0187-63-6111
FAX番号0187-63-6104

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