北秋田地域のアスパラガス
北秋田地域のアスパラガスは、作付け面積は44ha(R元計画)で県内2位、販売額は114百万円(H30実績)で県内3位で、県内でも有数の産地となっています。さらに、近年は大規模での生産に取り組む法人経営が増加しており、更なる産地拡大が期待されています。
アスパラガスは、収穫作業が手作業で、腰に負担のかかる体勢での作業になるなど、園芸品目の中でも特に労力のかかる品目ですが、秋田県においては、春の訪れを告げる園芸品目として重要な存在となっています。
露地栽培では、一度植え付けると、数年から十数年間収穫することができ、大きく分けて5月の春どりと6月以降の夏どり(長期どり)の2回収穫されます。
ここではアスパラガス産地の旬な情報をお届けします!
第1回 春の訪れとともに始まる収穫作業
春芽の収穫が始まりました
収穫されたアスパラガスは、太さに応じて規格が決まり、規格ごとに分けられた後、出荷されていきます。
春芽(はるめ)とは
4月から5月にかけて出てくる芽のことをいい、春に出荷されるアスパラガスは春芽を収穫したものです。7月以降に出てくる夏芽(なつめ)と比べ、春芽は当分を多く含んでおり、みずみずしく甘いのが特長です。
立茎(りっけい)作業
春芽の収穫が一段落した6月初め頃には、出てきた芽を収穫せずに伸ばす立茎作業を行い、光合成を盛んに行わせて、株内に養分を貯蔵させます。
第2回 夏の収穫作業が始まっています!
夏芽の収穫が始まりました
アスパラガスの夏芽を収穫しています。収穫作業は、朝夕2回行われ、一定の長さに達した芽を手作業で折り取ります。
夏芽(なつめ)とは
7月以降に出てくる芽のことをいいます。夏芽は、立茎作業(第1回で紹介)により株に蓄えられた養分を使って生長し、春芽に比べて茎の伸長が早く、収穫期間が長いのが特長です。
収穫されたアスパラガス
収穫されたアスパラガスは、出荷に向けた調製作業を行うため、施設内に運び込まれます。
仕分け作業
運び込まれたアスパラガスは、一本一本丁寧に手作業でベルトコンベアに並べられます。
ベルトコンベアに並べられたアスパラガスは、機械により太さが計測され、太さごとに分けられます。
選別後は結束作業へ
分けられたアスパラガスは、長さが揃えられた後、出荷規格に合わせた本数ごとに束ねられます。
あとは出荷を待つばかり!
アスパラガスは鮮度が非常に大切な野菜です。結束されたアスパラガスは、温度を低く保ち、鮮度を維持するため、発泡スチロール製の箱に、立てた状態で詰められ、全国へ出荷されていきます。
第3回 来年に向けて準備万端です!
収穫を終えたアスパラガス
収穫期間が終わったアスパラガスは、青々としていた茎葉が、すっかり黄色くなっています。
これは、光合成で作られた養分が、気温の低下とともに茎葉から根に運ばれたためです。養分は冬の間、根に蓄えられ、翌年の春芽(はるめ)の栄養となります。
この時期、来春の収穫に向けて、病害虫の防除作業が行われます。
収穫後に、もう一手間
茎葉が黄化した後は、畝(うね)間に堆肥や土壌改良資材を散布し、よりよい土壌環境を作るとともに、根に酸素を供給するため、根を傷つけない程度の深さで耕します。
高品質なアスパラガスを生産するためには、この一手間が大切です。
さらにもうひと頑張り!
高品質なアスパラガスを採るため、もうひと頑張りです。
茎葉が十分に黄化した後、株元から刈り取ります。刈り取った茎葉は病害虫の発生源になるため、ほ場内に残さないよう、きれいに処分します。さらに、刈り取った後の切り株や土壌表面を、写真のようにバーナー等で焼くことで、害虫や病原菌の密度を減らします。
こうした作業をしっかりと行うことで、次の収穫期における病害虫の発生を抑えます。
取材協力:大館市アスパラガス生産者
お問合せ先
お問合せ先 | 秋田県北秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒018-3393 秋田県北秋田市鷹巣字東中岱76-1 |
電話番号 | 0186-62-3950 |
FAX番号 | 0186-63-0705 |