能代・山本地域では、降雪が少ない気象条件を生かして、冬期間にアスパラガスを収穫する促成栽培に取り組んでいます。

通常は、露地の畑に植えられたものを、毎年5月から収穫しますが、この栽培方法では、春から秋にかけて畑で養成した根株を掘り上げ、ビニールハウスの中に作った温床に伏せ込み、加温して12~3月に収穫します。

この時期のアスパラガスは、柔らかくて甘みが強いのが特長で、当地域が全県でトップの産地になっています。

ここでは、促成アスパラガスの育苗から収穫までの状況やおすすめのレシピなどについてお伝えします。

第1回 これまでの生育状況

4月上旬(育苗期)

3月上旬に種をまいて、1ヶ月経過したポット苗の様子です。発芽後間もない苗は非常に繊細であるため、水やり作業には細やかな気配りが必要です。

5月上旬(育苗期後半)

草丈が伸び、定植が近づいてきました。

6月上旬(株養成期)①

促成栽培では、夏の間に根株に蓄えた養分を使って、冬場にアスパラガスを大きくし、収穫するため、畑で株を養成する必要があります。このため、苗の茎数が3~4本になる頃に畑に定植します。

広い畑に植えられた様子を見ると、まだまだ小さいことがわかります。

7月上旬(株養成期)②

定植してから約1ヶ月が経過し、徐々に大きくなり、茎数も増えてきました。

今はまだ茎が細く、店頭で見るアスパラガスの面影はありませんが、これから株が大きくなるに従って、後から出てくる茎が太くなっていきます。

9月上旬(株養成期)③

ほ場全体が株で覆われてきました。今年は、例年に比べると草丈はやや短いですが、概ね順調に生長しています。

この時期に栄養を蓄え、地下部をいかに大きく育てられるかが収量アップのポイントとなります。

第2回 促成アスパラガスの伏せ込み作業

まずは株を掘り上げます

収穫を終え、茎葉が刈り取られたアスパラガスは、11月中旬頃から伏せ込み作業が始まります。

まずは、機械を使って根株を地中から掘り上げます。

厳しい冷え込みの中、作業が進められます。

掘り上げた根株は…

掘り上げた根株は、互いに絡み合っているため、手作業でほどいてから、伏せ込みを行うハウスへ移動します。

この作業は、株数も多く、手間のかかるものであるため、なかなかの重労働になります。

低温にあてて、休眠打破

掘り上げたアスパラガスは、すぐに伏せ込みはせず、屋外でブルーシートを被せて10日~2週間ほど保管し、休眠打破します。

ここでしっかりと低温にあてることで、伏せ込み後の萌芽が旺盛になり、高収量につながります。

休眠打破(きゅうみんだは)とは

休眠期に入っている植物が、特定の刺激を受けて活動状態になること。

アスパラガスは、秋の低温によって休眠期に入り、加温等によっても萌芽が抑制される状態になりますが、低温に一定期間当てることなどにより、休眠が打破され、生育に適した温度になると萌芽が旺盛に始まります。

伏せ込み床の準備

休眠打破のための低温処理をしている間に、ビニールハウス内に伏せ込み床を準備します。

木の板で枠を作り、籾殻を敷き、その上に、加温するための温湯用パイプを設置します。

伏せ込み作業

十分に低温に当てた根株を、伏せ込み床に隙間なく並べていきます。

その後、上からビニールのトンネルで覆い、少しずつ加温して萌芽を待ちます。

今回取材したハウスでは、収穫作業が年明けから行われる見込みですが、山本地域では促成アスパラガスの出荷が既に始まっています。

年末年始、食卓の彩りに、山本地域産のアスパラガスはいかがでしょうか!

取材協力:能代市内アスパラガス生産者

お問合せ先

お問合せ先秋田県山本地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒016-0815 秋田県能代市御指南町1番10号
電話番号0185-52-2161
FAX番号0185-54-8001

ページトップへ戻る