抑制作型での高品質トルコギキョウの生産
トルコギキョウは、花色が多彩でボリューム感やゴージャス感もあり、冠婚葬祭での需要が高いだけでなく、花持ちが良く家庭内でも長く楽しめることから、高い人気を誇っています。
花言葉は「優美」「すがすがしい美しさ」。咲いた姿はまさに花言葉を体現しています。
秋田県南東部・雄勝地域のJAこまち管内は、県内有数のトルコギキョウの産地として評価を得ており、令和3年度の販売額は約7千万円と、花き部会全体の販売額の約半分を占めています。
当地域では、自然に生育する夏の生産だけでなく、高い技術が必要とされる「抑制作型」も導入し、生育適期でない秋の生産も実現しています。
今回は、年間を通して生産に取り組み、「稼げる農業」を実践しているトルコギキョウ生産農家を取材してきました。
8月・定植が終わり成長が進んでいます!
トルコギキョウってどんな花?
トルコギキョウはアメリカ原産のリンドウ科の植物。
実はトルコ原産でもなければ、キキョウ科の植物でもないんです笑
一説には、咲いた花がトルコのターバンに似ていたから、また一説には、一重咲きの花がキキョウに似ていたから、というのが名前の由来と言われています。
定植直前のハウスの様子
7月末、定植に先駆けて、ほ場に肥料をまいて耕しました!
ハウス内には「寒冷紗」と呼ばれる被覆資材をはって、植物を強い日差しから保護します。
定植直後のハウスの様子
8月上旬には定植が終わりました!
定植は日中の暑い時間を避けて行いました。
ハウス内にうねを立てた後、「マルチ」と呼ばれる資材をはっていき、夏の高温の日でも地温が上がらないよう条件を整えました。
植えたばかりのトルコギキョウ
写真は植えたばかりのトルコギキョウ。小さくてかわいいですよね!
成長して大きな花を付けるのがとても楽しみです!
順調に生育が進んでいます!
8月下旬、再びほ場を訪れました。
茎がまっすぐ伸び順調に生育しています!
「フラワーネット」と呼ばれるオレンジ色のネットを設置し、茎の伸長とともに高さを上げていくことで、真っ直ぐな花に育てていきます。
近くでよく確認!
近づいてよく見てみると、葉っぱの数も増え、大きく生育しているのが確認できました!
9~11月・大きく育ち収穫も終盤を迎えました!
9月・生育が進んでいます
9月下旬にハウスを訪問したところ、遠目で見ても、生育が進んでいるのが分かりました!
9月は平年より高温傾向で、トルコギキョウにとっては厳しい気象条件でしたが、こまめな栽培管理により草丈もきれいに揃って、順調に生育しています。
一番花を摘み取りました
この時期には、一番花の摘み取り作業が終わっていました。
一番花とは、1本の花の中で一番最初に付く蕾のこと。
この蕾を咲かせてしまうと、この後に咲く二番花、三番花が小さくなってしまうので、花を大きく育てるために、早い段階で一番花を摘み取る必要があります。
芽の選別作業を行います!
一番花の摘み取りが終わると、次は育てる芽と育てない芽の選別を行います。
育てない芽は早めに摘み取り、育てる芽に栄養分を集中させます。
手作業で手間がかかりますが、大きい花を作るためには欠かせない作業です。
10月・蕾が大きくなりました
10月下旬、丁寧な日々の管理作業の甲斐あって、蕾が大きく育っていました!
摘み取った一番花等は片付けられ、ハウス内はきれいに整理されており、見ていて気持ちが良いです。
一部で花が咲き始めました!
ところどころで花も咲き始め、大きく花開いていました!
この花は「ボヤージュ(2型)ピンクシェイク」という品種名で、白とピンクが混ざり合った花色のかわいらしい品種です^^
収穫も終盤を迎えました!
11月中旬には花も大きく咲き誇り、収穫終盤を迎えました!
基本的には、1つの枝に1つの花と1つの蕾が付きます。
花瓶に挿すと、咲いている花を楽しむのと同時に、蕾から花が咲く様子も楽しむことができます!
12月・出荷の様子を取材しました!
出荷直前のトルコギキョウ
生産者は、トルコギキョウを収穫した後、朝のうちに箱詰めし、JA集出荷所に出荷します。
集出荷所では、箱詰めされたトルコギキョウを出荷規格ごとに選別していきます。
出荷箱の中の様子
出荷箱の中の様子を公開!
鮮度の高い状態で輸送できるよう、水と栄養分を入れた縦箱の中にトルコギキョウを立てて入れています。
出荷先を振り分けます!
出荷先の市場への振り分けを行う際、JAの職員だけではなく、生産者も協力して作業します。
また、生産者は出荷される花のチェックを当番制で行い、規格と品質の維持に努めています。
予冷庫に保存し品質を維持!
集荷するトラックが来るまでは予冷庫に入れて保存します。
産地から出荷先へとコールドチェーンをつなげることで、品質の高いトルコギキョウを全国に届けます!
コールドチェーンとは?
生産・輸送・消費の過程で低温を保ったまま流通させる方法。
お問合せ
お問合せ先 | 秋田県雄勝地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒012-0857 秋田県湯沢市千石町二丁目1番10号 |
電話番号 | 0183-73-5180 |
FAX番号 | 0183-72-6897 |