沢田さんは８棟のハウスでいちごを栽培しています。

そのうち、今回は夏秋どりいちごのハウスの様子をご紹介します！

夏秋どりいちごは、４月初旬に苗の定植が行われ、６月中旬～11月までの長期に渡って収穫できます。

夏場は特に、細かい温度管理や遮光が重要となります。

実が赤く色づいてきたら、随時収穫を進めていきます。

長期に渡り、コンスタントに収穫している沢田さん。その秘訣の１つが「摘花」と呼ばれる作業です。

花を摘み取ることで株への負担を減らして健康な状態を保ち、残した花に栄養を集中させて実を大きくしていきます。

摘花を行わなければ、一気に実が付いて収穫量は一時的に多くなりますが、株への負担も大きくなり、収穫期間が短くなってしまいます。

沢田さんは１つの株から１果ずつ順番に収穫できるように計画的に摘花しており、これにはとても繊細で高度な技術が要求されます。

ハウス内の花は摘花によりしっかりと管理されていて、収穫量もコントロールされています。

次回の記事では、収穫の様子をお届けします！

６月中旬頃から赤く色付いたいちごが徐々に増え、収穫作業が始まります。

品種は「すずあかね」。夏秋どりいちごの主要品種の１つです。

いちごは涼しくなると実が引き締まり、果汁も詰まった状態になります。

沢田さんは、最もおいしい状態で収穫するため、早朝または夕方の涼しい時間帯に収穫作業を行っています。

収穫のピークは７月下旬頃になりますが、沢田さんは需要が高まるお盆の時期にも収穫を行っていました。

長く安定した収穫を行う秘訣は、前回の取材でも伺った「計画的な摘花」にあるようです。

赤く色づいたいちごから順に収穫を進め、パック詰めしてから弘前市の仲卸業者へ届けます。

出荷したいちごの９割ほどは関東へ、残り１割は弘前市内へ流通します。

加工業務用として、ケーキ屋店への出荷をメインとしながら、地元の道の駅等にも出荷し、消費者からも高い評価をいただいています。

前回まで夏秋どりいちご栽培の様子を取材してきましたが、９月になると冬春どりいちごの定植時期に入ります。

今年は８月の豪雨による影響が心配されましたが、沢田さんのハウスでは無事に定植作業が行われました。

定植から約２週間後の様子です。

まだ花は咲いていませんが、この後の寒い時期に向け、葉を展開させながら生長を続けていきます。

今年の気候は、９月に高温、10月に日照不足の傾向でしたが、無事に開花盛期に入りました。

この後、徐々に実がつき始め、12月には収穫時期を迎えます。

寒さが一段厳しくなった12月上旬、順調に実がつき始め、赤く色づいた実も増えてきました。

ここで栽培しているいちごは「紅ほっぺ」という品種で、大きくて食味が良いのが特徴です。

夏秋どりいちごと同様に、出荷先のメインはケーキ店ですが、そのほかにも地元の道の駅や直売所などにも出荷しています。

冬春どりいちごの「紅ほっぺ」も多くの出荷先や消費者から高い評価をいただいており、沢田さんのもとにも「美味しい！」という声が多く寄せられています。

クリスマスが近づく12月中旬頃には、いちごの需要がピークを迎え、沢田さんのハウスでも収穫量がどんどん増えていきます。

生育はおおむね順調で、今年のクリスマスシーズンにも、美味しい鹿角産いちごを皆様へお届けできそうです。