秋田市

 JR秋田駅から奥羽本線大曲方面の普通列車に乗って2駅。国際教養大学の最寄りでもあるJR和田駅から徒歩0分の一等地に店舗を構える『フレッシュランドまごころ』は、創業から四半世紀が経過した老舗直売所です。

 車だと、4車線化された国道13号線「和田駅入口」の交差点から約1分。近隣には、秋田自動車道秋田南インターチェンジや秋田空港もあり、交通の要衝と言ってもいい好立地(乗れませんが秋田新幹線こまちも停車します)。考え方によっては、近隣はもとより遠方からも気軽に立ち寄れる直売所。只今、明るく楽しいメンバーで元気に営業中です。

 今日は、創業当初から直売所の運営に携わってこられた皆さんにお話を伺いました。

基本情報(営業日・営業時間・アクセス)

〇5月~12月:9時~15時(月曜定休日 ※月曜祝日の場合は営業)

〇1月~4月:10時~15時(金土日のみ営業)

〇所在地:秋田県秋田市河辺和田字上中野90-3(JR和田駅から徒歩0分)

〇問い合わせ:090-2992-7363

「フレッシュランドまごころ」の魅力

 和田駅前に降り立ち左手を見ると、なだらかな三角屋根の平屋建てが目に入ります。ちょっと日に焼けた感じが味わい深く、聞けば昭和51年に旧河辺町が農産物直売施設として建てた筆者と同学年の建物だそうで、直売の経験年数で言えば、今ここで運営している「フレッシュランドまごころ」のおよそ倍、最古参だそうです。

 故にと言っていいかどうか分かりませんが、建物左側のシャッターは常に閉じ気味で、初めて訪れる人にとってはちょっとだけ「ん?」と思わせる佇まいではありますが、そこはちょっとの勇気があれば楽々クリアできるので、まずは一歩足を踏み入れてみましょう。

 足を踏み入ると、これまた昭和感あふれる鉄骨むき出しの梁と蛍光灯にローカルラジオのBGM。何の音もしない空間だと、ほどなく居ずらくなるなるものですが、邪魔にならない適度な音量で、ちょっとした心地良さを演出してくれています。

 そして、新鮮な農産物とそれを扱う元気いっぱいの昭和世代のメンバー達。訪れる人によっては農産物よりも、まずこの雰囲気に気持ちを持っていかれてしまうのでは!?と思わせる、どことなくノスタルジーなお店です。

(写真の似顔絵(会長&事務局)は、地元のイラストレーターの手によるもの。)

 さてさて、季節は夏野菜の最盛期。さぞやたくさんの野菜が並んでいるであろうと期待しつつ、朝9時の開店時間より15分ほど早く訪ねてみると、どうも様子が・・・。観察していると、どうも開店時間の前後30分~1時間といった幅の中で随時商品を並べるのがスタンダードらしく、並行してお客様も入店してきて並べたそばから手に取り、買い求めていくのでなかなか棚が埋まらない。かといって大急ぎで商品を持ってくる会員や焦って商品を並べる会員もいなければ、商品が少ないと残念がって帰ってしまうお客様もおらず、「まごころ」だからこそ醸し出せる、鷹揚とした空気感がこの店の魅力のベースを作っていると言えそうです。

ラインナップ

 取材で訪れたお盆明けのこの時期は夏野菜真っ盛り。あえて書き連ねてみると、「なす(水なす、漬けなす)」、「ツルナ」、「ピーマン」、「かぼちゃ」、「みょうが」、「えだまめ」、「きゅうり」、「モロヘイヤ」、「空芯菜」、「トマト」、「ねぎ」、「ゆうがお」、「ブルーベリー(最終盤)」、「アスター(花束)」と、代表的な夏野菜はだいたい網羅しております。

 中でも大人気なのが『今年も出ましたいつものトマト〈完熟〉』(傷ありだと5~6玉/袋)。市場流通だとまだ青みが残る状態で流通しますが、ここでは真っ赤に完熟した状態で並べられます。まさに直売だからこそ。お客様は皆このトマトの美味しさを知っているようで、並べた途端に勢いよく売れていきます。この日は、お母さんと息子さんの二人で納品に来ていましたが、お店を出るまでの10~20分の間に1/3くらいになっていました(後で追加で持って来てくれるのかどうかはちょっと分かりません)。この人気のトマトの手作りポップに書かれた「いつもの」という言葉に、この直売所の出荷者とお客様の関係性が象徴されているような気がしました。

ラインナップ2(加工品・惣菜・その他)

 午前10時を過ぎると、直売所内で製造しているお惣菜が増えてきます。これもまた不思議と並べ始めるとそれを求めるお客様がスーッと入ってきては立ちどころに数を減らしていきます。惣菜もまたお客様の間に深く定着しているようです。

 こちらもラインナップを書き連ねてみます。

 「フルーツ寒天」、「サラダ寒天」、「ごまどうふ寒天」、「あさづけ」、「漬物」。ここまでは秋田の食文化の王道。さらには、「焼きおにぎり」、「鶏肉のうま煮」、 「唐揚げ」、「白身魚のフライ」、「ポテサラ」、「もちもちフランスパン」、「小豆」となかなかの充実ぶりで、やはり店内調理ということで、作り立てが味わえる「焼きおにぎり」や「揚げ物」の人気が高いようです。

 筆者も唐揚げを購入して食べてみましたが、ニンニクが効いたしっかりめの味付け、そして熱々&ボリュウム感。味に文句のつけようがありません。「白身魚のフライ」には千切りキャベツがそれなりの量で添えられているので、お腹回りが気になる人達が抱きがちな罪悪感を軽減してくれます。

 続いては、「木綿どうふ」、「寄せどうふ」「天狗味噌」、「もち米」、「河辺産りんごジュース」、レジの横手には専用の冷凍庫に収まった「アイスキャンデー」と「アイスもなか」。夏には冷たく甘いものは欠かせません。

 どんどんいきます。ここからは手工芸品も入ってきます。「手作りのかご」、「エプロン」、「メダカ」、「水ごけ」・・・・んっ!?メダカ?、暑い夏に涼を、そして今ブームになっている・・・とはいえ、メダカ!とは。直売所でメダカ(正確にはメダカのミニのぼり)は初めて見ました。メダカを飼っている筆者の心を掴んで離さないメダカは、残念ながらこの日この時間帯は不在でしたが、今度出会えたらしっかりチェックしたいものです。

重要!!現金オンリー

 売り場をぐるっと見て回って、再びレジ脇でお話を伺いますと、そこにまた昭和を感じさせる代物が。それはレジ。そしてレジ台替わりのテーブルの引き出し&オペレーション。

 キャッシュレス時代の今、ここでは現金オンリーです。それは何故か。新たな投資に見合うかどうか云々語れる理由は多々ありますが、一番は、この直売所のメンバーにとっては、長年変えずにやってきた今のやり方が一番効率的で、新しいシステムを導入しても扱いに習熟しないとお客様に迷惑をおかけしてしまうからということのようです。なので、この直売所を訪れる方には、どうにかこうにか事情をお汲み取り頂き、現金でのお支払いにご協力いただきたいと思います。

 それとこのテーブルの引き出しですが、引き出しの中は会員ごとにボックスで区切られていて、会計の時に商品に付けられた札の下半分をハサミで切り取り、それを出荷した会員のボックスに入れることで、会員ごとの売り上げを管理しているものでした。

 こうした工夫や手作業というところにも、やはり親しみや懐かしさを感じてしまいます。筆者はこのままの方が好きです。それにしても、レジの釦の一つに書かれた「会長」の一文字。これは一体!?。その真実を聞くのはちょっと怖かったのであえて触れずに帰ってしまいましたが、勇気が持てたら次回訪れた時に聞いてみるとして・・・・。

 このレジ回り、他にも「なぜここに?」的なモノを中心になかなか面白いものが色々あって、例えば、天皇皇后両陛下が車内から手を振るお姿の写真とか、秋田も舞台となり、日本でも放送された韓国ドラマ『IRIS-アイリス-』(2009年・韓国)の撮影で訪れたイ・ビョンホンのスナップ(和田駅前の民家にスタッフ一同泊まり込んで撮影したんだとか)が無造作に貼られているとか。内心、また聖地巡礼とかでたくさん人が来てくれたらいいのに・・・なんて思いながら最後に目に留まったのがこちら。

「あそこに行けばあれがある」そんなお店になりたい(ハート)

 「あそこに行けばあれがある」そんなお店になりたい(ハート)

 レジの後ろ、調理室出入口脇に掛けてあるホワイトボードに、今ではほとんどやらなくなったというイベントのお知らせの上に貼られた、あきたこまちRを周知するチラシのさらにその上に貼られた一枚のA4サイズの紙にこの言葉はあります(これも割と無造作に貼りつけてある)。

 ここまで、この直売所の会長だと思い込んで話を伺っていた事務局の佐々木直子さんによると、これはこの直売所のモットーなんだそう。

 なるほど。お客様は、ここにいつ行けば何があるのか知っていて、お店の側も、どんなお客様が何を求めていて何時ごろに来店されるのか、経験的に感覚的に知っている。自然、あくせくせず、昭和スタイルを貫きながらも世の中の流行り(メダカ)にも反応できる。四半世紀の積み重ねがあって互いを知り抜いているからこそ、並べたそばから売れていく、そしていつまでも棚が埋まらない・・・。そういうことだったのか。

 ふいにアレが欲しいなぁと思ったら、その思いのままここに足を運んでみてください。もしかしたらソレがあるかもしれませんよ。

お問い合わせ先

お問い合わせ先秋田県秋田地域振興局農林部 農業振興普及課 担い手・経営チーム
住所〒010-0951 秋田県秋田市山王四丁目1番2号
電話番号018-860-3413
FAX番号018-860-3363

ページトップへ戻る