ギバサに関する取組が、文化庁 食文化「知の活用」振興事例に認定されました!
海藻ギバサ(アカモク)は本県で昔から親しまれている伝統食材です。成熟期のギバサを収穫して湯に通し、包丁で細かく刻んで強い粘りを出す加工方法は、県北部の八峰町が発祥地とも考えられます(注1)。この加工方法を守り続けている本県のギバサ加工業者の取組と、ギバサ漁業の持続性を高める方法を模索する本県漁業者の取組が、この度、文化庁「知の活用」振興事例に認定され、本年3月18日に東京品川で表彰式が行われました(注2)。
出典:秋田県総合食品研究センター情報誌ARIF Letter,vol.24
受賞タイトルは、『「粘る海藻王国あきた」におけるギバサ漁業と加工技術、食文化を守る取組』です。この賞は、食文化に関する学術的な研究と、食文化に関する現場(本県では漁業)とが、食文化の振興に向けて取り組む優れた事例に対して与えられるものです。今回の受賞では,ギバサ製品の品質の向上に取り組む加工業者らが結成した「ギバサ研究会」と、八峰町でギバサ漁場造成に取り組む漁業者が結成した「北部ギバサ増殖会」の活動が、本県におけるギバサ食文化の振興に貢献していると評価されました。
北海道から沖縄県までの20道県の25団体が表彰されました。
ギバサ研究会の夏井勝博会長が表彰状を受け取りました。
ギバサ研究会はこれまでに、県総合食品研究センターや水産振興センターと協力してギバサの粘り成分の分析を行い、本県沿岸で5月頃に漁獲されるギバサは、他産地に比べても強い粘りを持つことを明らかにしました。北部ギバサ増殖会では、漁場である八峰町沿岸においてギバサ漁期を5月だけとして獲り過ぎを防ぐとともに、ギバサが生育しやすい海底環境を明らかにすることで、漁場の維持と拡大に取り組んでいます。
(詳細は、下記サイトを参照下さい)
本県ではギバサのほかにも、ワカメを柔らかく粘りが出るように調理した「とろとろわかめ」と呼ばれる食品も広く流通しています。豊かな海の幸に恵まれた本県では昔から海藻食が盛んであり、季節的に強まる海藻の粘りも楽しむ食文化が発達したのでしょう。今でこそ全国で食されるようになったギバサですが、秋田独自の海藻食文化を全国に発信するため、ギバサ研究会では「粘る海藻王国あきた」を旗印に、今後も漁業者と緊密に連携してギバサ食文化の振興に努めることとしています。
表彰式では、出席した団体の参加者同士が熱心に情報交換を行う姿があちこちで見られました。本県の出席者も、他の団体の先進的な取組に大いに刺激を受けてきました。
ギバサ研究会のブースでは商品パンフレットとギバサ研究会のロゴ入りバッグも配布しました。
出席者の多くがギバサ研究会のバッグを手に交流会!
注1)1979年と1984年に八峰町の加工業者が「海藻ギバサの加工法」、「海藻ギバサの塩蔵加工法」を特許取得しています。
注2)文化庁 食文化「知の活用」振興事例の表彰式についてのリンク