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清流と技術で育む伝統野菜「三関せり」
三関さくらんぼで有名な湯沢市三関地区。もうひとつの特産物として江戸時代から栽培されている伝統野菜「三関せり」が知られています。
三関地区では現在約50戸の農家がせりを栽培しており、収穫は10月のきりたんぽシーズンから始まり、冬の雪の中でもハウス栽培により3月まで続きます。三関地区の清流で栽培されるせりは緑鮮やかでシャキシャキした茎葉もさることながら、白く長い根っこも美味しく食べられることがセールスポイントです。「いものこ汁」や「きりたんぽ」など秋田の郷土料理には欠かせない食材です。
平成26年4月には「三関せり」として特許庁の地域団体商標に登録されました。これを機に地域ブランドとしてより魅力ある商品となるよう、さらなるステップアップを目指しています。
第1回 せりの親株を育てています
清流と技術で育む伝統野菜「三関せり」
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元来、せりは野に自生しており、商品としての形態が求められなければ1年を通じて摘むことができます。
前年の取り残しの株は春にはかなり大きな株になっています。
親株植付け直後の状態
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営利的な栽培では、苗をとるための親株を植え付けるところから作業が始まります。(5月下旬)
三関せりは畑状態で親株養成されており、全国的には珍しい栽培方法です。
親株養成畑の様子
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7月初旬の親株養成畑です。
だいぶ茎葉が繁っています。
親株の姿
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秋のせりとは異なる姿をしています。せりは長日条件で節間が伸長し、匍匐枝が発生します。
長く伸びた茎を適当な長さに切り取って、セリ田に植えると節の部分から新しい根が出てきます。
匍匐枝とは
ランナーとも呼ばれ、地際からつるが伸びて、新しい株をつくるもとになる。
せりの花が咲き始めました
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7月はせりの開花期となります。
早いところでは白い花が咲き始めています。
花茎の様子
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花を付ける花茎の様子です。太く角張っています。
第2回 せりの植付け作業
親株床の姿
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5月に親株育成床に植えた親株が繁茂してきました。
せりは一般の野菜のように苗が販売されていないため、自家で親株系統の維持管理が必要となります。
親株床から苗取りをしています
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親株の茎や匍匐枝(ほふくし)を取り、収穫用のせり田に植える種ぜりとします。
種ぜりの調整作業
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植付けする際の作業のしやすさと、できるだけ均一に田面に並べられるように、葉を落とし、茎を一定の長さに切り揃えます。
植え付けるまでの準備に時間がかかる作業となります。
植え付ける種ぜりの姿
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調整が終わった種ぜりです。これをせり田に並べて植え付けます。
せり田の準備
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植え付け前にせり田を均平にしています。
苗の植え付け
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種ぜりを植え付けています。
一般には種ぜりを4~5cm間隔で平行に並べていきます。
植付け後のせり田
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種ぜりが均一に並べられています。
しばらくすると節の部分から葉が出てきて、約1カ月後には全面がせりで覆われます。
第3回 せりの収穫・調整作業
いよいよ収穫
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9月に植付けした露地栽培の収穫が行われています。
からみあった茎が折れないよう、根っこを切らないよう丁寧に抜き取りをします。
手間のかかる調整作業
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商品としての束を作ります。調整作業に最も時間がかかります。
箱詰め作業
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出荷用のダンボールに詰めます。
ダンボール内の荷姿
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1箱に30束入れます。
集荷場へ運搬
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各生産者は集荷場所であるJAこまちフルーツセンターに運びます。
市場へ出発
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トラックに積み主に県内の卸売市場へ向けて出発します。
根っこもうまい三関せりです
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しゃきしゃきした葉はもちろんですが、真っ白な根っこも美味しいです。
これから寒くなるにつれ根っこのボリュームが増えてきます。
第4回 年末需要期を迎え収穫最盛期となっています
積雪期のせりハウス
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雪の季節を迎え、せりのハウスは雪に埋もれています。
雪が降った日は除雪作業にも相等の時間がかかります。
ハウス内で収穫期を迎えたせり
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9月末から10月始めにかけて植えたせりが収穫最盛期を迎えています。
冬のハウス内での収穫作業
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雪に囲まれたハウス内で、冷たい水に入っての収穫作業が連日続きます。
選別作業も最盛期
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出荷時間を睨みながら選別作業を行います。
緑色の茎葉と白い根っこのコントラストが鮮やかな三関せりに仕上がっています。
量販店店頭に並ぶ三関せり
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年末の需要期を迎え、お店の売り場も広がっています。
きりたんぽ、芋の子汁はもちろん、せり焼き、根っこの天ぷらも美味しいですよ。
取材先:三関せり出荷組合・JAこまち湯沢営農センター
お問合せ
お問合せ先 | 秋田県雄勝地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒012-0857 秋田県湯沢市千石町二丁目1番10号 |
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