雪国の山村と恵み 雄勝地域
焼石岳は秋田・岩手県の県境にそびえる標高1,547mの火山です。花の山として知られており、雪解けの時期から紅葉まで、様々な高山植物が訪れる人の目を楽しませてくれます。秋田側の登山口周辺には休養施設や観光ポイントがあり、夏山のシーズンには県内外からたくさんの登山客が大自然を楽しみます。
第1回 早春の山菜について
【春】 今年は大雪の影響で雪解けが進まず、山開きが遅れています。そんな中でも、草木は変わらず芽を出し、花を咲かせています。ブナの葉の新緑や、ピンク・白などの花々は、万物が心躍らせる季節「春」の到来を告げています。タケノコ・ワラビはこれから最盛期をむかえることでしょう。
新緑の様子
ブナの柔らかな緑は、ようやく巡ってきた春への喜びを表しているようです。
高山植物(イワカガミ)の様子
可憐なピンク色の花を咲かせるイワカガミ。
山菜(ウド)の様子
ウドは路肩など、崩れやすい処によく生えるようです。
山菜(タケノコ)の様子
里山では今が旬のタケノコですが、標高が高いせいかあまり見られませんでした。
高山植物(シラネアオイの様子)
拳ほどの大きさの花は、山の中でははっと目を引きます。
沢の雪解けの様子
雪解けの冷たい水を湛えた流れです。
山の恵みの様子
この時期にしかいただけない山菜たち。探す楽しみと味わう楽しみを満喫できます。
取材先:焼石岳
第2回 秋の紅葉・実りについて
【秋】 10月中旬、下界ではまだ暑いくらいの天気が続きましたが、一歩林の中に入ると涼しい風が吹き抜けていました。昨年と比較してキノコの発生量減など、夏の猛暑が山の実りに影響を与えているようでした。生物たちは実りの秋を過ぎ、来る厳しい季節へ備えています。
沢と紅葉
登山道に入ると、そばに沢が寄り添います。あたりの木々は色づき始めていました。
キノコの様子1
秋の実りといえばキノコです。山歩きで採れたキノコの味は格別ですが、毒キノコに注意が必要です。
写真
ツキヨタケ(上)、サワモダシ(下)
用語説明
- ツキヨタケ
有毒種。主にブナなど広葉樹の枯木に発生する。暗闇で発光する。 - ナラタケ(通称:サワモダシ)
夏~秋にかけ、枯木・生木に発生する。ボリ、カックイなど地域によって呼び名が異なる。県内では缶詰としても販売されている。
吊り橋
吊り橋は周囲の風景に溶け込み、登山者を山中へ誘います。
深山の景色
巨石から生える木々は自然のたくましさをうかがわせます。
やまぶどう
やまぶどうは、すでに時期が過ぎているようでした。人間だけでなく、熊など野生動物も好んで食べる木の実です。
ヤマブドウ
蔓性植物で、秋に実をつける。雄株と雌株があり、片方だけでは結実しない。ポリフェノール等を含み、栄養価が高い。
キノコの様子2
シモフリシメジは比較的発生量が少なく、直売所では高めの価格で販売されています。
シモフリシメジ
晩秋と、ほかのキノコに比べ遅い時期に発生する。マツタケと同じく植物と共生関係を作るため、人工栽培が難しい。味が良く、各地で食用にされている。
キノコの様子3
倒木にナメコが発生していました。同じナメコにも大きさや形状の違いなど、多彩な種類があります。
ナメコ
野生種は枯木や切り株に発生する。盛んに栽培が行われているキノコのひとつ。
三十三尋の滝
紅葉と流れ落ちる清水が、美しい景観をつくり出しています。
ミズの様子
沢筋など、水場の近くにはミズが群生していました。秋になるとつけるムカゴは、山菜としても人気です。
用語説明
ウワバミソウ(通称:ミズ)
谷地など水分を多く含んだ土壌に生息する。採取時期は長く、春~秋まで収穫できる。
初秋の紅葉
徐々に色づく木々は、深まってゆく秋を感じさせます。
取材先:神室山(10月14日取材)
お問合せ
お問合せ先 | 秋田県雄勝地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒012-0857 秋田県湯沢市千石町二丁目1番10号 |
電話番号 | 0183-73-5180 |
FAX番号 | 0183-72-6897 |