農業 五城目町

五城目町では、地域活性化のためキイチゴの特産化を目指し、平成20年に「五城目町キイチゴ栽培研究会」を設立しました。会員数は30名程度で、栽培講習会や視察研修会などの研修会を実施し、技術向上に努めています。また、栽培研究会の設立と同時期に秋田県立大学を中心に設立された「あきたキイチゴ利活用研究会」にも参加し、情報交換や実需者との交流によって、販路の構築にもつながっています。平成22年には540kgのキイチゴが生産され、秋田市の洋菓子店などへ出荷されました。

キイチゴの栽培は、ポット栽培や露地栽培で行われています。現在は夏果の収穫時期で、主な品種は、スキーナ(赤)、チルコチン(赤)、ハノーバ(ブラックラズベリー)です。

今回は夏果の収穫についてお伝えします。

第1回 夏果の収穫が始まっています!

キイチゴのポット栽培

ポットならぬ肥料袋を利用して栽培しています。

キイチゴの着果状況

果実がたわわに実っています。収穫は、朝と夕方の2回、色づいたものから収穫していきます。

収穫期のキイチゴ

このくらい赤色に深みが出てくれば収穫適期です。このキイチゴは「チルコチン」という品種です。

収穫の様子

果実のヘタの軸を鋏で切り離して収穫します。このあと、青果のまま出荷する時は、軸を短く切り揃えます。

キイチゴのヘタを取った様子

キイチゴのヘタは簡単にとれます。

冷凍したキイチゴ

冷凍出荷の場合は、ヘタを取った状態で冷凍します。これは100g分のキイチゴです。

キイチゴのピューレ

キズなどで出荷できなかったキイチゴをピューレにしました。芳香と、ほどよい酸味がアイスと良く合います。

第2回 秋果の収穫が始まっています!

キイチゴには夏のみ収穫できる一季なり性の品種と、夏と秋に収穫ができる二季なり性の品種があります。

今回は、夏と秋に収穫できる二季なり性の品種「ヘリテージ」の収穫についてお伝えします。

7月の「ヘリテージ」の様子

春に株分けしました。7月上旬の時点では、このような状況でした。

株分けとは

株もとや地下茎から出る枝を分けて繁殖させる方法のこと

収穫期の「ヘリテージ」の様子

10月現在の「ヘリテージ」です。果実をつけています。

株分けした当年に収穫できるのは、二季なり性の品種だけです。

収穫の様子

台車を引きながらの収穫です。

収穫果実の様子

熟度や果形によって、出荷形態、用途が変わります。

左は生食用にそのままで、右は加工用に冷凍して出荷されます。

第3回 収穫のあとは、せん定です。

12月に入り、二季なり性品種「ヘリテージ」の収穫が終わりを迎えています。また、すでに収穫を終えた「ヘリテージ」ではせん定が行われています。そこで、今回はキイチゴのせん定についてお伝えします。

二季なり性品種「ヘリテージ」の様子

無加温ハウス栽培で、12月上旬現在、まだ収穫が続いています。

株分けの時期を遅らせたことで、この時期までの収穫が可能になりました。(葉の黄変が始まっており、あと少しで収穫は終了します。)

二季なり性品種のせん定

収穫を終えた「ヘリテージ」はせん定を行いました。

せん定とは

生育や結実を調整するため、枝を切り、樹形を整えること。

二季なり性品種は、同じ株で、秋と翌年の夏に収穫できます。

ただし、写真では、秋の収穫だけを目的にするため、株もとの数芽を残して切り返しました。

一季なり性品種のせん定

一季なり性品種の現在の様子です。

キイチゴでは、収穫を終えた枝は自然に枯死します。一季なり性品種は、夏だけの収穫となるため、夏果を収穫した枝は枯死し、基部でせん去されます。そして、今年新たに発生した枝を残し、来年の結果母枝とします。
(写真は今年新たに発生した枝)

結果母枝とは

結果枝を出す枝のこと

結果枝とは

花芽を直接つけ、開花結実する枝のこと

一季なり品種の株もと

一季なり性品種せん定後の株もとの様子(9月)です。

キイチゴの結果母枝についた芽

この芽から結果枝が発生し、来年の夏、果実が実ります。

来年の夏も

また、たくさんの実をつけてくれることに期待です。

取材協力:五城目町農林振興課、五城目町キイチゴ栽培研究会

お問合せ先

お問合せ先秋田県秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒010-0951 秋田県秋田市山王四丁目1番2号
電話番号018-860-3371
FAX番号018-860-3363

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