農業 湯沢市

湯沢市は県内におけるさくらんぼ栽培の5割以上を占める主要産地です(栽培面積47ha)。歴史は古く、昭和29年から東京に出荷されており、市場関係者からは生産量こそ山形には及ばないものの「品質日本一」と高く評価されています。

“Charmy Cherry(チャーミーチェリー)”というブランド名で、千疋屋や新宿高野などの高級果物店でも取り扱われています。また、地元では「三関さくらんぼ」の愛称で親しまれ、贈答品として高い人気を得ています。
管内で品質の良いさくらんぼが生産できるのは気候、土壌が適していることに加え、生産者の高い技術と努力があってのことです。

高い品質を維持するために、収穫は気温が上がる前の早朝に行い、果実は一粒づつチェックしてから、丁寧に箱詰めをしています。
品種は「佐藤錦」を中心に早生から晩生まで多種植えられており、6月中旬~7月中旬頃まで旬の味を楽しむことができます。
平成22年度の雪害により、枝折れが多数発生し、昨年の収量は激減しましたが、「今年こそは多くの人に“Charmy Cherry”を届けよう!」と205名の生産者が一丸となって取り組んでいます。

第1回 さくらんぼの開花と人工受粉作業

さくらんぼの開花

真っ白な花が咲きました。

さくらんぼは花芽がまとまって着生するので、開花するとまん丸のボール状に見えます。

満開を迎えたさくらんぼ

5月4日、花が満開を迎えました。

毛バタキによる受粉

さくらんぼは、自分自身の花粉で実をならせることができません。

このため、毛バタキで木から木へと人間が花粉を運んで、結実を確保します。

ミツバチによる受粉

ミツバチも受粉作業をお手伝いします。

マメコバチの巣

マメコバチも受粉をお手伝いします。このハチは、ヨシなどの筒の中に餌となる花粉団子を作って産卵します。

針がないため、刺される心配がなく、また、生産者自らが増やすことができるので、園内にマメコバチの巣を置いて、定着をはかります。

長寿なさくらんぼ

昭和元年に植えられたさくらんぼの木も現役で花を咲かせています。

第2回 さくらんぼの収穫までの作業

作況調査

5月30日、部会員が集まってさくらんぼの結実状況を調査しました。今年の作況を判断する大切な調査なので、みんな真剣です。

その結果…、今年は大きくて品質の良い果実が多く収穫される見込みです。

さくらんぼの結実状況

この枝では、1つの芽の集まりに5個の果実が結実しました。

これでは多すぎるので、摘果が必要です。

摘果とは

着果する果実を少なくする作業です。これにより、残った果実に多くの養分が分配されるので、大きくておいしいさくらんぼが出来ます。

摘果後のさくらんぼ

5個あった果実を3個に減らしました。

もったいないように思われますが、品質の良い果実を生産するためには欠かせない作業です。

ハウスのビニールかけ作業

6月上旬になると、さくらんぼのハウスにビニールをかける準備を始めます。さくらんぼはとてもデリケートで、雨に当たると果実が割れてしまいます。

ここでは2人がかりで重いビニールをハウスにあげていました。ハウスの高さは約6.5m、高所での危険な作業ですが、大切なさくらんぼを雨から守るためには必要な作業です。

品質日本一!!

品質日本一の三関さくらんぼ。

看板も掲げて、あとは、収穫までの仕上げ作業に取りかかります。

第3回 さくらんぼの収穫から出荷まで

いよいよ収穫です

「佐藤錦」が収穫期を迎えました。

今年は、着色も良く、大玉で品質の良い果実がたくさん実りました。

さくらんぼの着果状況

穫期を迎えた果実は品質を維持するために、早朝の気温が上がる前に、一粒ずつ丁寧に収穫されます。

荷造り講習会

収穫された果実はその日のうちに、一粒づつ傷がないかなどをチェックし、大きさや色を揃えて箱詰めされます。

毎年、出荷はじめには、伝統的な化粧詰めの講習会が開催され、果実の並べ方や詰めるポイントについて、目揃いを兼ねて勉強します。

伝統の化粧箱

伝統の化粧詰めが完成しました。1箱に2段で約500gのさくらんぼが詰められています。

着色、大きさを揃えながら果実を傷つけないよう隙間なく並べるには熟練の技が必要です。

集荷所での厳しいチェック

箱詰めされたさくらんぼは、集荷所に集められ、一箱ずつ色、大きさの揃い等を審査員が厳しくチェックし、合格したさくらんぼだけが出荷されます。

首都圏向けて出発!!

トラックに乗せられたさくらんぼは、翌日競りにかけられ、早ければその日のうちに店頭に並びます。

知事への報告

部会員から佐竹知事に今年も品質の良いさくらんぼが収穫できたことを報告しました。

取材先:JAこまち桜桃部会

お問合せ

お問合せ先秋田県雄勝地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム
住所〒012-0857 秋田県湯沢市千石町二丁目1番10号
電話番号0183-73-5180
FAX番号0183-72-6897

ページトップへ戻る