鹿角市 農業

鹿角地域は青森県と岩手県に隣接する地域で、年平均気温は9.4℃と弘前市(年平均気温10.2℃)より低くなっています。昔からりんごの産地として栄えてきましたが、気象災害の発生や更なる所得の確保に向け、平成13年より「特産北限の桃産地推進協議会」を立ち上げ、本格的にももの栽培に取り組んでいます。

鹿角のももは、冷涼な気候を利用した9月出荷が特徴で、市場に出回るのが一番遅い「かづの北限の桃」として売り出しています。生産者や栽培面積は徐々に増加しており、平成24年には販売額が1億円を突破しました。

しかしながら、昨年は凍害が主な原因と思われる生育障害が発生し、枯死した樹もみられました。寒さの厳しい土地での栽培の難しさを改めて痛感すると同時に、この危機を乗り越えるため産地が一体となって生産に励んでいます。

第1回 開花期を迎えました!

開花の様子

ももの花が満開となっています。今年は好天のため、平年より10日ほど早い開花となり、ゴールデンウィークは桜に代わりももの花見日よりでした。

台木の様子

寒さに強いといわれている台木「ひだ国府紅しだれ」の花です。凍害に強い樹づくりのために様々な方法が検討されています。

台木とは

接ぎ木する際に、根部を使用する植物体のことをいう。一方、接がれる品種の植物体は穂木という。台木の使用により、穂木が持っていない性質を付加することができる。

発芽した台木

今年の3月に播種した台木が発芽してきました。台木の成長についてもレポートします。

第2回 摘果作業が行われています!

摘果作業の様子

硬核期前に急ピッチで摘果作業が進められています。

硬核期とは

ももの種が硬くなる時期をいいます。この時期に剪定や摘果を強く行うと果実がたくさん落ちてしまうことがあります。そのため、ももの摘果作業は硬核期に入る前におおよそ終わらせることが必要です。

双胚果

今年は双胚果の発生が多い傾向にあります。双胚果は落果につながる可能性が高いため、確実に摘果する必要があります。

双胚果とは

1つの果実の中に種子が2つ入った果実のことをいいます。通常、ももは大きい種が1つだけですが、生育初期には種が2つあり、生育途中でそのうち1つが退化します。栄養過多などにより種が2つ残ってしまう場合があります。

台木管理

種から発芽させた台木の背丈も50cm程まで成長しました。今年は降水量が少ないため、少し生育が遅れています。

硬核期の経過

「あかつき」で6月20日、「川中島白桃」で6月24日に硬核期に入り、どちらも7月18日に修正摘果の適期を迎えました!
硬核期の判定には半分に割ったももに薬品を塗り、着色状態で判定します。写真上段が硬核期入り、下段が硬核期明けの様子です。

第3回 収穫が行われています!

果実の様子

今年は開花が早く、収穫時期も平年より早まりました。全国的に小玉傾向でしたが、鹿角では平年並の大きさになりました。 また、雨が少なかったこと等から、甘くておいしいももが多いです。

収穫の様子

いっせいに熟さないため、4~5回に分けて収穫します。1つ1つ感触を確かめながら、成熟したももだけを収穫していきます。

選果の様子

JAかづのに集荷されたももは、透過式光センサー選果機を通し、糖度10.5以上のものだけを選別します。 選び抜かれたももだけが、消費者のみなさんの元へと届きます。

透過式光センサー選果機とは

光を食品に照射し、透過した光の量を分析することで、食品を分解することなく迅速に糖度を測ることができる選果機です。

出発式の様子

8月26日には主力品種である「川中島白桃」の出発式が行われました。園児の見送りを受けて鹿角から首都圏に向けて出発しました。

取材協力:JAかづの

お問合せ先

お問合せ先秋田県鹿角地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒018-5201 秋田県鹿角市花輪字六月田1番地
電話番号0186-23-2123
FAX番号0186-23-7069

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