白神ラムが生産されるまで
藤里町でのめん羊飼育の歴史は、昭和62年に「めん羊飼育組合」が結成され、昭和63年にサフォーク種が導入されたときから始まります。最盛期には町内で約750頭のめん羊が飼育されており、「サフォークの里」は藤里町を表すようになりました。
子羊の肉は年齢によって名称や商品価値がことなっています。藤里町では、めん羊を導入した当初から、脂身の美味しい「ホゲット肉」での提供を行ってきましたが、近年のラム肉ブームを受けて、平成24年に首都圏の高級食肉卸会社の協力を得ながら、「ラム肉」生産を行っています。
めん羊は「季節繁殖」性を有する家畜であり、自然状態での繁殖期は年に1回です。春から初夏にかけては、恋の季節にむけた健康な体づくりが大切になります。特に、羊毛の刈り取りは夏の暑さをしのぐためにも重要な作業になります。毛刈りをして、さっぱりした親羊は広い放牧場で新鮮な牧草を食べながら、秋の繁殖に備えた準備に入ります。
※「ラム肉」とは子羊12か月未満、「ホゲット肉」とは子羊12~24か月のものを意味する。
第1回 季節繁殖に向けためん羊(親羊)の様子について
初春(2月~3月)めん羊の親子
まだ雪深い2月下旬からめん羊は出産のシーズンを迎えます。子羊の産声が聞こえてきたら、白神山地にも春の訪れが近いことを教えてくれます。
毛刈り前のめん羊
藤里町で飼育しているめん羊は、羊毛と羊肉の両方の生産が目的の兼用種。ひと冬を畜舎で過ごすと、全身が羊毛で“ふわふわ”になります。
兼用種とは
サフォーク種は、羊毛生産と羊肉生産の両方に適した品種です。
毛刈りの様子1
毛刈り作業で重要なことは、毛刈りの最中に羊が動き出さないようにすることです。羊がおとなしく見えるのは、毛刈り技術が高い証拠です。
毛刈りの様子2
“ふわふわ”した羊毛の中から、真っ白な羊が出現したように見えます。実はこの羊毛には油脂が含まれていて、防水効果を発揮しています。
毛刈り後の様子
毛刈りが終了しました。見た目の大きさは、毛刈り前の半分くらいですがさっぱりした姿は、暑くなるこれからの季節にぴったりです。
刈り取った羊毛
刈り取った羊毛です。これで約5kgくらい重さになります。刈り取った羊毛は、秋田県内の洋裁家が引き取っています。
めん羊舎から放牧場へ
毛刈りが終わってさっぱりしためん羊は、順番に放牧場へ向かっていきます。
放牧の様子
子羊が離乳した6月頃から秋まで、専用の放牧場に放牧されます。牧草を食べながら、次の出産に向けた準備期間になります。
白神山地が見える放牧場
藤里町営放牧場からは白神山地を間近に見ることができます。天気の良い日には、青草を美味しそうに摘むめん羊の向こうに、白神山地の山々を見ることができます。
この豊かな自然が「白神ラム」の美味しさのヒミツです。
取材協力:藤里町営大野岱放牧場
お問合せ先
お問合せ先 | 秋田県山本地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興チーム |
住所 | 〒016-0815 秋田県能代市御指南町1番10号 |
電話番号 | 0185-52-2161 |
FAX番号 | 0185-54-8001 |