ダイズの助っ人ヘアリーベッチ
秋田管内のダイズは、転換畑を中心に作付けされていますが、排水性や土の砕土が不十分になりやすいなど、物理性の悪いほ場が問題になっています。
一方で連作による地力の低下で収量が低下してきているほ場も見受けられます。ほ場の排水性確保や物理性の改善、地力の回復を目的に、ダイズの作付け前に、マメ科牧草のヘアリーベッチを導入する動きが広がっています。平成21年産ダイズでは、大潟村を中心に、秋田市、潟上市など、およそ100haで利用され、この秋も、来春のダイズ作付けにむけた取り組みが始まっています。
第1回 ヘアリーベッチ ~秋の種まきから発芽まで~
ヘアリーベッチってなに?
ヘアリーベッチはダイズと同じマメ科植物です。春には1.5mほどのツルを四方に伸ばし、6~7月にかけて、うす紫色のきれいな花を咲かせます。
播種準備・ヘアリーベッチ種子
初めて播種するほ場では、生育量確保のため必ずベッチ用の根粒菌を接種します。根粒菌と種はしっかり混ぜて、少し乾かします。
播種作業中
播種適期は9月下~10月上旬になります。稲の収穫跡地に、動力散布機でベッチの種子を散布します。
播種後の耕起
稲の刈り取り跡に播種したときは、軽く覆土するため、バーチカルハローやロータリーを使って稲株が倒れる程度に浅く耕起します。
ここが重要!排水対策:弾丸暗渠施工
ヘアリーベッチの生育期間は低温や積雪など植物には厳しい時期です。特に排水不良を嫌うマメ科植物ですから、排水対策は丁寧に行います。
ヘアリーベッチの芽
9月下旬に播かれた種子は、一週間程度で発芽し始めます。ただいま草丈4cm。
緑肥植物ヘアリーベッチ
ヘアリーベッチはマメ科の牧草で、『毛深いベッチ』という意味の名が付いてます。その名のとおり、植物体全体が薄い毛に覆われています。和名はビロードクサフジ、明治頃には日本に導入されています。元々冷涼な気候を好み、耐寒性に優れた植物です。植物中の窒素含量がとても高く、寒冷地でも生育が旺盛です。また春先の生産量が大きく、それに対応して根が広がるため、土壌中の水分を大量に吸い上げ、土に細かな隙間を作り上げていきます。大豆農家では、これをダイズ作付け前にほ場に播種し、緑肥やほ場の乾燥の促進に活用しようとしています。
取材協力:大潟村・秋田市・潟上市
お問合せ先
お問合せ先 | 秋田県秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班 |
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