農業 潟上市 井川町

冬の秋田の定番「きりたんぽ鍋」や「しょっつる鍋」に欠かせない食材の1つが長ネギです。本県でネギの生産地といえば山本地域を想像する方が多いと思いますが、ここ秋田地域でも作付(面積・販売額)が増えている注目の野菜です。

今回から紹介していくのは湖東地区(井川町・潟上市)の“秋冬ネギ”。春に種をまき、初夏に植付け、そして秋から冬にかけて収穫するネギです。この秋冬ネギは、冬までに収穫するだけでなく、降雪前に掘り取ってハウスの中に貯蔵する「囲い込み栽培」を行うことで、翌年の2月頃まで出荷できるのが特徴です。

そんな秋冬ネギの育苗から収穫までの見所について、実際の作業の様子を紹介しながらお伝えします!

大事に苗を育てています!

秋冬ネギの育苗ハウス

秋から冬にかけて収穫される秋冬ネギの苗は、ガラス温室で育てられます。施設内の温度を20~25℃に保ち、健全な苗になるよう注意しています

秋冬ネギの様子

3月下旬から4月上旬に種まきをした苗の様子です。4~5日で発芽し、約2カ月で畑に植えられる大きさに生長しています。

苗の葉先がきれいに切り揃えられています。畑に植える前に葉が伸びすぎると、倒れたり葉が絡んだりして植えにくくなるので、葉先を切ることで草丈をちょうどいい長さに揃えています。

チェーンポットの様子

苗箱に入っているチェーンポットの様子です。秋冬ネギの場合は1つの穴に2本ずつ苗が育っています。

チェーンポットとは

苗箱に入っているチェーンポットの様子です。秋冬ネギの場合は1つの穴に2本ずつ苗が育っています。

取材先:JAあきた湖東管内 秋冬ネギ生産者 

第2回 定植作業が行われました!

定植前の畑の様子

ネギ栽培には、排水が良く、適度な保水性のある肥沃な畑が向いています。根がたくさんの酸素を必要とするため、排水の悪い畑では暗きょや明きょのような排水対策が必要です。

暗きょ、明きょとは

暗きょは、地下の排水を促すため地中に埋めた排水用パイプのこと。明きょは、地表水を早く排水するため畑の表面に掘った溝のこと。

定植前の畑の様子(植え溝掘り)

ネギの定植準備をした畑の様子です。ネギ畑は深さが30㎝以上になるように耕し、土が細かくなるように砕土します。畑を耕したら、ネギを定植するための溝を掘ります。

定植作業の様子

前回紹介した「チェーンポット」専用の簡易移植機“ひっぱりくん”です。苗箱を機械にセットし、後ろ向きに機械を引っ張ることで、チェーンポット苗が等間隔に植えられていきます。

定植した苗の様子

6月4日、5日に定植した苗の様子です。まだまだ小さいですが、秋から冬にかけての収穫に向け、これからどんどん生長していきます。

植え溝の様子

ネギは、最初に約25㎝の溝に植えられ、生長に合わせて少しずつこの溝を埋めていきます。平らになったら、今度は少しずつ土を盛っていきます。この土に隠れた部分が、最終的にネギの白い部分になります。

取材先:井川町 農事組合法人イカワ改拓社 

第3回 ネギづくりには欠かせない“土寄せ”管理!

削り込み・埋戻しをしました

第2回の最後に定植苗と植溝の紹介をしましたが、それから約5週間経った7月9日には、溝がほぼ埋まり平畝(ひらうね)になっていました。

平畝(ひらうね)とは

一般的には高さが5~10㎝程度の低い畝のこと。ここでは定植時の植溝を埋め戻し、平らになった状態のことを指します。

順調に生長しています!

定植した時の苗の大きさはおよそ草丈15㎝、太さ2.0㎜ほどでしたが、7月9日現在になると草丈30㎝、太さ5.4㎜と2倍以上に生長しています。

土寄せ作業が行われました

平畝後、約20日間隔を目安にネギの生長に合わせて土を盛っていきます。土寄せを行うことで白い部分が日光に当たらなくなり、緑色にならず白ネギが作られます。土寄せは畝の横方向に伸びた根を傷つけたり、土を葉にかけ過ぎて葉を枯らしたりしないように気をつけながら作業していきます。

秋田県産夏ネギが販売中!!

現在、秋田県産の夏ネギが県内スーパー等で絶賛販売中です!夏ネギは7月初旬から9月いっぱいまで出荷されたもので、10月からは秋冬ネギの出荷となります。ぜひご賞味ください!

取材先:井川町 農事組合法人イカワ改拓社  

第4回 ネギを病害虫から守る大事な防除作業!

ほ場の様子

6月上旬に定植した苗が、5ヵ月経って収穫できる大きさにまで生長しました。これから、雪が降るまで収穫が続くので、病害虫の被害を抑えるための防除管理を行います。

防除作業を行いました

全農秋田県本部の統一出荷規格では、ネギは葉に病害虫の被害痕があると商品として販売することができません。そうした被害からネギを守るため、収穫前最後の防除では、低温と降雨で発病が多くなる「さび病」に効果のある農薬を散布しています。

収穫を待つネギ

最終土寄せをしたネギの様子です。秋冬ネギは最終土寄せから約20日後に収穫が始まります。

秋冬の“秋田美人ねぎ”は軟白長が30㎝以上必要なので、それに合わせて土寄せを行います。

秋田美人ねぎとは

全農秋田県本部の統一規格に合った県産ネギを指します。その品質の高さと軟白部の白さを、「秋田美人」の特徴である肌のきめ細かさや色の白さになぞらえ、名付けられました。

秋田県産ネギが販売されています!

 今回紹介した秋田美人ねぎを含めた本県産の秋冬ネギが、現在販売されています。最近は気温も低くなり、鍋を食べたくなる時期となりました。ネギをお買い求めの際は、ぜひ本県産のネギをよろしくお願いします。

取材先:井川町 農事組合法人イカワ改拓社 

お問合せ

お問合せ先秋田県秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課 企画・振興班
住所〒010-0951 秋田県秋田市山王四丁目1番2号
電話番号018-860-3371
FAX番号018-860-3363

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