表彰 担い手 農業 大仙市

 令和4年度(第106回)農事功績者表彰・緑白綬有功章〔農産部門〕を受章した判田勝補さんの功績を紹介します。

1 農事改良等の実績

 秋田米の県育成品種の普及拡大や直播栽培の技術普及等を通じ、地域の諸課題の解決に尽力しているほか、秋田県経営農業士として地域農業の発展に貢献している。

①秋田米の県育成品種の普及拡大(昭和59年~)

  • 昭和41年、判田氏は高校卒業と同時に就農し、稲作単一経営に取り組み始めた。
  • 判田氏は、秋田米の県育成品種「あきたこまち」(昭和59年)、「めんこいな」(平成11年)、「ゆめおばこ」(平成20年)の栽培にいち早く取り組んだ。新品種特有の栽培特性等の知見を蓄積して、周辺農家にも情報共有し、作付面積拡大や栽培技術の普及に大きく貢献した。
  • 今年度本格デビューを迎える新品種「サキホコレ」(令和2年)の栽培にも取り組んでおり、長年に渡って地域農業を牽引している。

②直播栽培技術の普及拡大(平成12年~)

  • 平成10年には、判田氏がJA秋田おばこ稲作部会大曲支部長に就任。担い手不足等の地域の諸課題を解決するため、平成12年から地域に先駆けて直播栽培を導入し、作業の省力化を図った。
  • 直播栽培の導入直後は苗立ち率が低く、初期生育の不良や雑草の多発といった課題にも直面したが、試行錯誤を繰り返しながら、地域の特性に合わせて栽培技術の向上に取り組んだ結果、収量は安定し、移植栽培と同程度の単収を確保するに至った。
  • 判田氏の取組が周辺地域にも波及して直播栽培を導入する農家が増え、令和3年度は大仙市内の235haで直播栽培が行われた。

③秋田県経営農業士として活躍(平成16年~)

  • 平成16年に秋田県経営農業士に認定され、地域農家への技術指導や地域農業の活性化に尽力してきた。
  • 特に密苗栽培技術については、判田氏自らが導入して実証を進め、取り組みやすい省力・低コスト化技術としてJA稲作部会員に普及したことで、JA秋田おばこ管内で技術の広がりが見られている。

2 地域農業発展等への貢献

 県内有数の穀倉地帯であるJA秋田おばこ管内で稲作連絡協議会会長を長年に渡って務め、新たな栽培技術の導入推進に尽力したほか、土地改良区の理事長として地域農業全体の発展にも貢献している。

①JA稲作連絡協議会会長としての功績

  • 判田氏の取組が評価され、大曲市農業委員やJA秋田おばこ稲作部会大曲支部長、中西根受託組合長等を歴任したほか、平成17年から令和元年まで15年もの間、JA秋田おばこ稲作連絡協議会の会長を務めた。
  • 会長在職期間中も、会員が抱える諸課題の解決に繋げるため、新品種導入のほか、直播栽培、密苗栽培、乳苗移植栽培、無代かき栽培等の新たな栽培技術に率先して取り組み、得られた知見を会員に対して惜しみなく還元するなど、地域の栽培技術向上に貢献した。
  • 令和2年で会長を退任した後は、JA秋田おばこ稲作連絡協議会で初となる顧問に就任しており、稲作農家への技術指導を積極的に行い、管内の生産振興に尽力している。

②大仙市大曲土地改良区理事長としての功績

  • 判田氏は、昭和54年から現在に至るまでの40年にも渡って土地改良区の役員を務めており、土地改良事業や土地改良区合併等の推進に大きく貢献している。
  • 平成14年度に実現した地区内の4土地改良区(大曲市内小友西部、大曲市小友、大曲市角間川、大曲市大川西根)の大規模合併に当たっては、機運の醸成や統合整備に向けた諸課題の解決といった調整に尽力しており、こうした功績が認められ、平成23年には大仙市大曲土地改良区理事長に就任した。
  • 平成26年度には、複式簿記への移行を実現して土地改良区の財政基盤強化を図ったほか、圃場整備の事業化に向け、地元農家や関係団体との調整役として活躍した。
  • また、地域から必要とされる土地改良区であり続けるため、判田氏が率先して集落、学校、その他各種団体との交流を設け、地域密着型の活動を展開するとともに、共同活動や統合整備研修にも積極的に参加して指導助言を行い、土地改良区の発展のみならず地域農業の発展においても重要な役割を果たしている。

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