山にんじんのけんちん汁
技術提供者:佐々木カヅ/由利本荘市
豆腐や山菜をたっぷり入れて作る具だくさんのけんちん汁は、女の正月と言われる小正月の料理です。
女の手で神仏に供え、五穀豊穣や家内安全を祈りました。大正月(正月から7日間)に忙しく働く女性たちにとって、小正月の行事とこの料理は十分な休息と栄養をとる大切な料理でした。
由利地域ではこのけんちん汁に塩蔵した「やまにんじんの葉」を入れます。
材料および分量
豆腐 | 1/2丁 |
ごぼう | 100g |
キャベツ | 150g |
にんじん | 100g |
わらび(塩づけ) | 150g |
ふき(塩づけ) | 100g |
山にんじん(塩づけ) | 150g |
醤油 | 大さじ2 |
酒 | 少々 |
作り方
- 山菜は4~5回水を取り替えながら昼夜水にさらして塩抜きをし、調理する前に熱湯で湯通しをする。
- 豆腐はふきんで水を切り、ごぼうはささがきにして水にさらし、アク抜きする。
- にんじんはささがきにする。
- キャベツは適当な大きさに切る。
- 塩抜きしたわらび、ふき、にんじんは2cm位の大きさに切る。
- 豆腐、ごぼう、キャベツ、にんじんをたっぷりの油で良く炒め、それがひたる程度のお湯を入れ、それにわらび、ふき、山にんじんを入れ、醤油、酒、調味料で味をととのえる。
調理のコツ
- 野菜は何を入れても良いが、由利では山にんじんを入れなければ、本当の味がでないと言われる。夏は冷たくして、煮含めるれば煮含める程おいしく出来上がる。
- やまにんじんは、3月~4月にかけてふきのとうの頃に出る山菜、セリ科の多年草「しゃく」です。ニンジンの葉に似ていることから山にんじんと呼ばれています。