技術提供者:佐藤和子/本荘由利市(矢島地域)

赤松の皮を利用した餅は、鳥海、矢島地域にのみ伝えられています。

松の木は長寿を、その緑はめでたさを表すため、お祝いでお供えとしてつくられ、ひな祭りには三色の菱餅(白餅、よもぎ餅、松皮餅)として作られました。

松皮餅は天明の飢饉の時の救荒食とも、矢島藩主の生駒氏が改役前の四国で、兵糧責めの際に作り出したとも伝えられています。

多くの研究者が松の皮の成分が健康によいというようになりましたが、先人たちはそのことを経験的に知っていたのかもしれません。

材料および分量

松皮 (ゆでたもの)100~200g
餅米3kg

あんこ

小豆 2.5kg
上白糖1.5kg
ザラメ1.5kg
少々

作り方

  1. 分量を合わせてあんこを作っておく。
  2. 倒した赤松の内皮を剥ぎ取って、洗い、柔らかくなるまで3~4時間以上煮る。
  3. 2を熱いうちに手杵でたたき、赤松の繊維が細かくなるまでつぶし、さらに包丁で細かく刻む。
  4. 3をげんこつ大に丸めておく。多い場合は冷凍保存しておく。
  5. 餅米を3~4時間水に浸し、これを蒸し器で蒸して餅をつき、つきあがった餅に4を入れてよく混ぜる。
  6. 5の餅を大福餅を作る要領であんこを包んでできあがり。

調理のコツ

松皮の剥ぎとりは早春が適期。松皮は柔らかく煮て、手杵や棒などでよく叩いておく。

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